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冷静先読み「金」ピタリ…ボッチャ・杉村 地元チーム いつも心に

 
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ボッチャ個人で金メダルを獲得し、笑顔を見せる杉村英孝選手(1日、有明体操競技場で)=沼田光太郎撮影
ボッチャ個人で金メダルを獲得し、笑顔を見せる杉村英孝選手(1日、有明体操競技場で)=沼田光太郎撮影

 エースが快挙を成し遂げた。ボッチャ個人(脳性まひ)で、日本初の金メダルを獲得した杉村英孝選手(39)(伊豆介護センター)。常に先を見通すクールな男が、仲間との絆を胸に戦い抜いた。

 沈着冷静で、投球に失敗しても、楽しむかのようにニヤリと笑う。「コートでは誰も助けてくれない。自分で選択し、決定できるところがこの競技の魅力」

 先天性の脳性まひで、小学1年から高校卒業まで、静岡市の肢体不自由児施設で暮らした。高3の時、国際大会のビデオ映像を見てボッチャを知った。

 施設の後輩の 角替つのがえ 一孝さん(39)と深津和道さん(36)に誘われ、初めて大会に出たのは2001年。小学生らのチームに敗れ、悔しさから競技に打ち込んだ。

 握力は10キロ以下。ボールを強くつかめず、左手の指で挟むように握る。腕の振り幅で強弱をつけ、繊細なショットを放つ。手先の器用さは幼い頃からで、精巧なプラモデルを作っては友人を驚かせた。

 先々の展開を読んで行動するのは、コートを離れても同じ。大会の前には、仲間の分も電車の時刻や乗り換えを調べ、タクシーやホテルを予約して「旅行代理店のようだ」と感謝される。

 ボッチャの世界に導いてくれた仲間への思いは強い。トップ選手になったが、角替さんらと約20年前に結成したチームでも試合に出る。深津さんは言う。「有名になっても、自分たちのことを忘れない。それがヒデ君なんです」

 決勝は、右腕に地元チームのリストバンドをはめて登場。開始直前には左手で握りしめ、前回大会王者のタイ選手を相手に会心のショットを連発した。

 試合後、後輩らについて聞かれ、「ボッチャを始めるきっかけをくれた。きっと喜んでくれていると思うので、早く金メダルを見せたい」とほほえんだ。(虎走亮介)

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2333116 0 東京パラリンピック2020速報 2021/09/02 05:00:00 2021/09/02 09:49:29 ボッチャ個人で金メダルを獲得し、笑顔を見せる杉村英孝(1日、有明体操競技場で)=沼田光太郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210902-OYT1I50038-T.jpg?type=thumbnail
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