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[点検 パラの街]出かけやすい街 地方でも…住民が施設チェック◎旅サポート

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 東京パラリンピックを機に、住民が施設のバリアフリー点検をしたり、障害者の旅行を受け入れたりする動きが広がっている。目指すのは、障害があっても利用できる「ユニバーサルデザイン(UD)」。各地の取り組みを追った。(金沢支局 高橋健太郎、長野支局 内山景都)

■地図アプリに情報

 「点字ブロックがあり、視覚障害者も安心して歩ける」「車いすが通るには狭いな」。石川県志賀町の県立志賀高校の生徒21人は昨年11月、町内のホテルや病院など20か所のバリアフリー状況を調べた。

 実際に車いすに乗ったり、腰が曲がった状態を疑似体験できる器具を装着したりしてみると、「視線が下にばかりいく」など多くのことに気付いた。3年の橋本望恵さん(17)は「どの世代のどんな人でも、来て良かったと言えるような町になってほしい」と話す。

 町は昨年、アゼルバイジャンのパラ選手団受け入れを機に、UDの街づくりを進める「共生社会ホストタウン」に登録された。今回の調査もUD促進の一環。段差の数や車いすでの移動しやすさなどの点検内容は、バリアフリー情報を共有する地図アプリ「Bmaps(ビーマップ)」に投稿された。

 同行した町心身障害者福祉協会長で、右足が不自由な太田勉さん(72)は「Bmapsにたくさんの情報が集まれば、出かけやすくなる」と期待を寄せる。

■車いす移動 希望沿う

 Bmapsには全国約15万の施設情報が登録されている。障害があっても旅を楽しめる「ユニバーサルツーリズム」にも活用できる。

 「日本一の星空」をPRする長野県南部の阿智村。宿泊仲介などを行う民間企業「阿智☆昼神観光局」は2019年から、介護タクシーを手配したり、車いすでの川遊びや散策をサポートしたりするサービスを始めた。

 新型コロナの影響で利用は多くないが、感染収束後を見据え、村内の旅館やホテルを対象に車いす移動に関する講習会を開くなどし、受け入れ態勢を強化している。村松晃事務局長(55)は「どんな場所でも、希望に沿えるようにしたい」と語る。

 一方、電車やバスを利用する障害者への理解を深めようと、国土交通省北海道運輸局はパラアスリートらによる出前授業を開く。5月に北海道釧路市立朝陽小学校のオンライン授業で講師を務めたパワーリフティング選手の山本恵理さん(38)は生まれつき足が不自由だ。わずかな段差でも苦労している生活を紹介し、「(健常者と障害者が)どうしたら一緒に生活できるか、社会全体で考えましょう」と呼びかけた。

 信州大の加藤彩乃講師(障害者スポーツ学)は「五輪やパラは社会的変化を目指すイベント。コロナ下でアウトドアが注目される中、スポーツだけでなく、レジャーについても、誰もが楽しめる環境にしていく必要がある」と指摘する。

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2334619 0 東京パラリンピック2020速報 2021/09/02 15:00:00 2021/09/02 15:00:00
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