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[人の輪]携わる人みんなの思い込め…メダルデザイナー・松本早紀子さん(32)

 
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 表彰台で、自らがデザインしたメダルを選手が首にかける姿を見て、胸が熱くなった。障害の種類や程度は異なるものの、残された体の機能を最大限生かし、驚異的なパフォーマンスを見せた選手たち。その力強い姿は、まさに自分がメダルに込めた思いと重なる。

東京パラリンピックのメダルをデザインした松本早紀子さん(東京都中央区で)
東京パラリンピックのメダルをデザインした松本早紀子さん(東京都中央区で)

 メダルのデザインコンペに応募したのは2018年1月。モチーフに選んだのは日本伝統の「扇」だった。「何年たっても日本で開かれた大会だと思い出してほしいから」。扇を束ねる要の部分を選手に重ね合わせ、世界に新しい風を吹かせるイメージを表現した。

岩や花などがデザインされた金メダル
岩や花などがデザインされた金メダル

 扇面には岩、花、葉、水、木の5種類の生命力あふれる自然を描いた。応援する人々の熱量を表したものだ。

 リアルに描写するため、道端に転がる岩、職場近くに咲いていた桜の花と葉、鍋に入れて沸騰させた湯(水)、ホームセンターで買ってきた木材を写真に収め、じっくりと観察した。

 ふだんは広告会社でファストフード店の子ども向け玩具などのデザインを担当している。心がけているのは、デザインが相手にきちんと伝わるかどうかだ。

 デザイン選出後、審査員の一人でパラ競泳のレジェンド、河合純一さんが「どれが金メダルか区別がつかないんだよね」とこぼすのを聞いた。それをきっかけに視覚障害の選手にもメダルの色がわかるようメダルの側面に金に一つ、銀に二つ、銅に三つのくぼみがつけられることになった。

 メダルは、使用済み携帯電話などから取り出した金属でつくられている。「亡き家族が五輪とパラを見たいって言ってたから」と大切な遺品の携帯電話を提供してくれた人もいたと聞いた。「みんなの思いが詰まったメダルを、選手たちが最高の笑顔で掲げてくれるのが本当にうれしい」(東京本社 浜田萌)

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2337667 0 東京パラリンピック 2021/09/03 15:00:00 2021/09/03 15:00:00 東京パラリンピック2020。メダル(左奥)をデザインした松本早紀子さん。メダルの表面にはパラリンピックのマークと「TOKYO2020」の文字が点字で記され、裏面には扇の中に岩、花、木、葉、水が描かれ、日本の自然を表しているという。東京都中央区で。2019年8月26日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210903-OYT1I50097-T.jpg?type=thumbnail
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