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[一瞬]栄光へ 譲れない夏…男子100メートルバタフライ

 
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原田拓未撮影
原田拓未撮影

 互いに最後のレースで、高め合ってきた2人が、隣同士になった。本音をぶつけ合う友であり、最大のライバルでもある。スタート台の前に並び立つと、まるで息を合わせたように、ぐるぐるっと肩を回した。

 競泳最終日の3日に行われた、男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)。4度目の大舞台で初の金メダルを目指す木村敬一と、初出場の富田宇宙が、雌雄を決する時が来た。

 剛と柔の両エースだ。2歳で視力を失った木村は、小学4年で泳ぎ始め、映像のバタフライは知らない。ひじの曲がった、魂のこもった武骨な泳ぎで、世界への道を切り開いてきた。

 富田は16歳で徐々に視野が狭くなる難病が判明。3歳で始めた水泳からは大学で離れ、競技ダンスを楽しんだ。社会人で水に戻ると、しなやかなフォームで急成長した。

 大一番では、木村が悲願の頂点に立ち、富田とワンツーフィニッシュ。木村が「この日って本当に来るんだな」と涙にむせぶと、富田は「望んだ結果が出た」と、笑顔を輝かせた。

 そのスタート。反応時間は富田が0秒04上回っていた。しかし、強く、鋭く、跳んだのは、写真左の木村だった。2人の指先が、水面を突き破った瞬間、金と銀の行方は、すでに決まっていたのかもしれない。

 (おわり、編集委員 近藤雄二が担当しました)

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2340220 0 東京パラリンピック2020速報 2021/09/04 15:00:00 2021/09/04 15:00:00 4レーン(左)木村、5レーン富田=原田拓未撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210904-OYT1I50069-T.jpg?type=thumbnail
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