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リオから縮めた11秒、でも表彰台に届かず…瀬立モニカ「パラの厳しさ感じた」と涙

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7位となった瀬立モニカ(右)(4日、海の森水上競技場で)∥近藤誠撮影
7位となった瀬立モニカ(右)(4日、海の森水上競技場で)∥近藤誠撮影

 東京パラリンピックは4日、カヌー・女子カヤックシングル(運動機能障害KL1)決勝で、 瀬立(せりゅう) モニカ(23)(江東区協会)が57秒998で7位に入賞した。8位だった2016年リオデジャネイロ大会から順位を1つ上げたが、世界のレベルが上がっていることを痛感した。(読売新聞オンライン 古和康行)

「全然眠れなかった」内なる重圧

 午前中の準決勝直前まで、棄権も考えたぐらい気持ちが追い込まれていたことを打ち明けた。「前夜は全然眠れなかった。久しぶりの大会で、自分がどれくらいの実力なのかということを考えると、戦いに入って行くのが怖かったのかなと思う」

 内なる重圧とも戦っていた瀬立は、それでも準決勝を通過し、1時間後の決勝で、緊張した面持ちでスタート位置についた。それが力みにつながったのか、武器として磨いてきた「スタートダッシュ」が不発で、序盤から出遅れる。しかし、正確なパドルさばきで中盤以降はトップ選手に追いすがり、200メートルをこぎきった。ゴール後、しばらくは水から上がらなかった。会場の「海の森水上競技場」は生まれ育った地元の東京・江東区で、「この夢舞台の余韻に少しでも長く浸っていたかった」。会場の大型モニターには57秒998とタイムが表示されていた。

リオなら「金」の記録だが…

カヌー女子スプリント・カヤックシングル決勝を7位で終え、笑顔を見せる瀬立モニカ(4日、海の森水上競技場で)=近藤誠撮影
カヌー女子スプリント・カヤックシングル決勝を7位で終え、笑顔を見せる瀬立モニカ(4日、海の森水上競技場で)=近藤誠撮影

 5年前。カヌーが正式競技に採用されたリオ大会に、日本人選手として唯一出場し、決勝に進出した。だが、結果は8位。その悔しさを原動力に、練習に取り組んだ。筋力トレーニングに力を入れ、重さ10キロの車いすを体に固定して懸垂し、ベンチプレスでは80キロを上げた。今大会、上腕回りはリオ大会の時より6センチも太くなった。上腕のパワーを生かした強いこぎ出しの「スタートダッシュ」に自信を深めていた。

 実は、この日の瀬立の決勝での記録はリオ大会なら「金」相当だ。瀬立も5年前の自身のタイムと比べて11秒以上縮めている。だが、優勝したドイツ選手は53秒958。世界のレベルは飛躍的に向上し、トップとの差はまだ歴然としている。「これだけやってもまだメダルが取れない。パラリンピックの厳しさを改めて感じた」と痛感させられたという。

 地元開催の大会で金メダルを目指してきたが、表彰台に届かなかった。コロナ禍で行われるパラリンピックだ。開催に尽力してきた人たちのためにも、大会中は「泣かないと決めていた」。でも、「メダルを取るまではカヌーはやめられないかなぁ」とポツリともらしたとき、つい涙がこぼれた。

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2340176 0 東京パラリンピック2020速報 2021/09/04 13:59:00 2021/09/04 13:59:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210904-OYT1I50074-T.jpg?type=thumbnail
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