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ボッチャペア、「ランプ」駆使した白熱のチームプレー…劇的なタイブレイクの末に銀

  
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 東京パラリンピックは4日、ボッチャのペア(脳性まひ・運動機能障害BC3)決勝が行われ、日本(河本圭亮、高橋和樹、田中恵子)は4―4で突入したタイブレイクの末、前回銀メダルの韓国に敗れ、銀メダルを手にした。日本勢は、この種目で初のメダル獲得。今大会のボッチャ競技では個人の杉村英孝(伊豆介護センター)の金、チーム(脳性まひ)の銅と合わせ、3個のメダル獲得となった。

高橋、起死回生の同点ショット

ボッチャペア決勝で、韓国と対戦する高橋和樹(右)と河本圭亮(左)(4日、有明体操競技場で)=泉祥平撮影
ボッチャペア決勝で、韓国と対戦する高橋和樹(右)と河本圭亮(左)(4日、有明体操競技場で)=泉祥平撮影

 タイブレイク、青の日本は、ラスト6球目を白いジャックボール(目標球)に寄せきれれば、勝利が近づくボール配置だった。だが、エース・河本が放ったボールは、無情にも韓国の赤いボールよりも遠い位置で止まる。試合終了。金メダルが最後にするりと逃げていった。

 そこまでも、劇的な試合展開だった。

 日本は第1エンド、前回銀メダルの韓国にボールの精度を見せつけられ、いきなり大量3点を失った。第2エンドに追加点を許すと、第3エンドの反撃機も1点を返すにとどまった。

 敗色濃厚な1―4のスコアで迎えた最終第4エンド、日本は驚異の粘りを見せた。立役者は、第2エンドから交代で出場した高橋だ。

ボッチャペア決勝で、口を使って投球する韓国の選手(4日、有明体操競技場で)=泉祥平撮影
ボッチャペア決勝で、口を使って投球する韓国の選手(4日、有明体操競技場で)=泉祥平撮影

 日本の5球目。勝ち急いだ相手はミスを犯し、すでに6球を使い果たしていた。高橋が放った青いボールは、絶妙の強さとコースで転がる。同じ青のボールにぶつかり、2球とも白の近くに寄った。青がもう1つ、白の近くに残っているというボール配置。日本もこのエンドの持ち時間を使い果たしていたため、6球目を放てなかったものの、起死回生の3得点で追いついた。高橋はタイブレイクの2球目にも白にピタリと寄せる活躍ぶりで、格上の相手を最後まで苦しめた。

 喜ぶ韓国の傍らで、肩を落とした日本の3選手。だが、胸を張っていい名勝負をみせた。

アシスタントがボールをセット

 ボッチャでは、手でボールを投げたり転がしたりすることができない選手は、「ランプ」という滑り台に似た勾配具を「発射台」のように使って競技する。選手はコート上にあるボールの配置や距離を見定め、ランプの向きや高さをアシスタントに伝える。アシスタントが設置した青や赤のボールを、選手がランプの底面にある穴から突っついて発射し、白いボールめがけて転がす。

ボッチャペアで銀メダルを獲得し、喜ぶ(前列左から)高橋和樹、河本圭亮、田中恵子(4日、有明体操競技場で)=泉祥平撮影
ボッチャペアで銀メダルを獲得し、喜ぶ(前列左から)高橋和樹、河本圭亮、田中恵子(4日、有明体操競技場で)=泉祥平撮影

 BC3の選手たちがランプを用いて繰り広げる白熱の攻防は、ボッチャという競技の多様性や懐の深さの象徴ともいえる。このクラスで勝つためには、先を読む力や集中力だけでなく、アシスタントと綿密に意思を通わせる能力が欠かせない。加えて、ペア戦は控え選手1人を含めた3人1組のチームワークも求められる。

 この日の決勝でも、日韓の両ペアは、アシスタントと選手たちが顔を寄せ合って意思疎通し、精度の高いボールを連発した。全員で、名勝負を作り上げているような光景だった。

 河本、高橋、田中の3人の研ぎ澄まされたプレーを通じて、ボッチャへの理解を深めた人も多いはず。日本での競技の普及や強化を進めるうえでも、意義の大きなメダル獲得といえそうだ。(読売新聞オンライン)

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2340706 0 東京パラリンピック2020速報 2021/09/04 20:22:00 2021/09/04 20:39:32 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210904-OYT1I50116-T.jpg?type=thumbnail
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