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王者・国枝 返り咲く…車いすテニス 

 
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 男子シングルスは、今大会で1セットも失わず勝ち進んだ国枝慎吾(ユニクロ)が決勝でもストレート勝ちした。女子ダブルス3位決定戦は、上地結衣(三井住友銀行)、大谷桃子(かんぽ生命保険)組が中国ペアを6―2、7―6で破り、同種目で日本勢初のメダルとなる銅を獲得した。

全5戦 ストレート圧倒

重圧 眠れぬ日々 技術ではね返す

車いすテニス男子シングルス決勝で、力強いプレーを見せる国枝慎吾=菅野靖撮影
車いすテニス男子シングルス決勝で、力強いプレーを見せる国枝慎吾=菅野靖撮影

 金メダルが決まり、手で顔を覆った。「本当に信じられない」。最高峰の四大大会で何度も栄冠に輝いてきた国枝が泣いていた。涙が止まらなかった。

 開始早々、いきなりブレイクされたが、表情は曇らない。ここから一つも落とさず第1セットを6―1で片付けた。「バックハンドが、すごく効果的だった」。あとは危なげなく、ひたすら加速するだけだった。

 2016年リオデジャネイロ大会は右肘手術の影響もあり、シングルスで8強止まり。悔し涙を流し、「全てを見直す時期」と位置づけた。スイングを修正し、ラケットを変え、車いすも改良。18年の全豪、全仏両オープンを制し、第一人者の地位に返り咲いた。

 37歳になった今も変化を恐れない。パワー勝負の若い海外勢に打ち勝つため、バックハンドを強化した。「負けるたび『何か変えよう』と取り組んでいる。回り道、寄り道しながら自分自身の正解を求めている」

 今大会、何度も「俺は最強だ」とつぶやいて戦いに臨んでいた。通常のメンタルトレーニングの一環だったが、実は「重圧をひしひしと感じていた」。今年の四大大会は無冠で、眠れない日もあり、モヤモヤしている中で、地元開催のパラリンピック日本選手団の主将を任された。本番直前まで、コーチと意見をぶつけ合いながら技術面の修正に努めていた。

 シングルスは全5試合でストレート勝ち。「金メダルを目指して、この5年間やってきた」。思いは、結実した。(矢萩雅人)

上地・大谷組「銅」

車いすテニス女子ダブルスで銅メダルを獲得し、笑顔を見せる上地結衣(左)、大谷桃子組
車いすテニス女子ダブルスで銅メダルを獲得し、笑顔を見せる上地結衣(左)、大谷桃子組

 ダブルスの銅メダルを、上地は「形として残るものができたことがすごくうれしい」と喜んだ。ペアを組んだ大谷の肩を抱いて健闘をたたえ合った。第1セットは6―2と圧倒。第2セットも粘り強くラリーを展開して勝ち切った。

 前日夜は、シングルス決勝。世界ランキング1位のデフロートに対し、相手のマッチポイントを何度もしのいだが、及ばなかった。表彰式が終わったのは日付が変わり午前0時過ぎで、就寝は午前3時頃。それでも、ダブルスで「集中力は切らさず、いい試合の入り方ができた」。

 悔しさをエネルギーに転化するのがうまい。「彼女(デフロート)に『いいプレーだったよ』と言われて『ありがとう』と思うよりも『悔しい』と思った。それだけ思っているということは、まだもう少し自分もやっていけるのかな」

 金メダルは逃しても、銀と銅が一つずつ。日本のエースは地元開催の大舞台で、鮮明な足跡を残した。(矢萩雅人)

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2341461 0 東京パラリンピック2020速報 2021/09/05 05:00:00 2021/09/05 05:00:00 車いすテニス男子シングルス決勝、オランダ選手と戦う国枝慎吾(4日、有明テニスの森で)=菅野靖撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210905-OYT1I50025-T.jpg?type=thumbnail
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