ニュース

マラソン金・道下、ゴール瞬間に日が差す…「幸せな思いでテープ切った」

 
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 東京パラリンピックは最終日の5日、陸上のマラソンが行われ、視覚障害の女子で世界記録保持者の道下美里(44)(三井住友海上)が3時間50秒で金メダルに輝いた。前回リオデジャネイロ大会の銀メダリスト。「5年前の忘れ物を取りに行こうとスタートラインに立った」という道下は「これが夢に見た舞台。幸せな思いでテープを切った」と、ゴールの瞬間を振り返った。(読売新聞オンライン・谷口愛佳)

30キロ付近でスパート、「思い通りのレースができた」

女子マラソン(視覚障害)で金メダルを獲得し、喜ぶ道下美里(5日午前9時57分、国立競技場で)=杉本昌大撮影
女子マラソン(視覚障害)で金メダルを獲得し、喜ぶ道下美里(5日午前9時57分、国立競技場で)=杉本昌大撮影

 序盤から先頭集団を走り、20キロ付近からはエレーナ・パウトワ(RPC=ロシアパラリンピック委員会)との一騎打ちに。30キロ付近でスパートをかけて一気に勝負を決めた。

 リオから5年。圧倒的な実績を積み上げてきた。2017年12月に2時間56分14秒の世界新記録を樹立。さらに20年2月、当初は東京大会前、最後のマラソンと位置付けていた別府大分毎日で、自身の世界記録を更新した。上り調子の中、夢舞台は1年延期に。それでも進化は止まらない。同年12月には記録を2時間54分13秒にまで縮めてみせた。

 年齢からも、ベテランの域に達しているが、なお成長を続ける。成長を支えるのは間違いなく、飽くなき意欲だ。中学2年で右目を失明し、その後、左目の視力も悪化したが、わずかに視野は残る。そのため「真っすぐという感覚がつかめなくて、ちょっとずつ体が傾いてしまう」という。バランスを修正できるように工夫した筋力トレーニングでフォームを安定させ、アップダウンのコースでの練習で心肺機能も高めてきた。リオの悔しさを胸に秘め、「最高の準備をして、思い通りのレースができた」というこの日を「パラレコードもかなえたし、今日は集大成のレースができた。欲をいえば、サブスリー(3時間切り)で終わりたかった」と振り返った。

 レースが始まる朝方から雨が降っていた東京だが、道下が国立競技場のゴールテープを切った時には、わずかの間だが、明るい日が差した。天の神様が勝者に祝福を贈った、出来すぎのような光景だった。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2342146 0 東京パラリンピック2020速報 2021/09/05 14:25:00 2021/09/05 17:22:22 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210905-OYT1I50084-T-e1630820415652.jpg?type=thumbnail
続きを読む

「陸上(パラ)」のニュース

パラリンピック 新着ニュース