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    「教育熱心」実は虐待かも

    「教育熱心」実は虐待かも/

     きょう25日から、多くの国公立大学では2次試験です。親御さんの応援を受けた受験生も多いことでしょう。勉強の成果を十分発揮できるよう、頑張ってくださいね。

     ただ、この受験シーズンに気になる話が入ってきました。親の過度な教育熱に耐えきれず、家出する子がいるというのです。

     〈私の父は「テストは満点が当たり前」と考え、私が1問でも間違えると「お前はだめだ」とどなり続けました〉

     東京都の女性(42)の告白です。〈中学では「いい高校、いい大学に入れ」との父の方針で、塾優先の生活を強いられ、中3の夏は「受験に集中しろ」と、大切な大会を控えていた吹奏楽部を退部させられました。家出したこともありますが、連れ戻され、「逃げ場はない」と感じました。ストレス性の抜毛症と膵臓すいぞう炎になったのもこの頃です〉

     女性によると「母は暴力的な父に従うだけ。かばってくれたことはありません」。

     両親の期待に沿うよう、親の決めた高校、家から通える国立大へ進みますが、ついにうつ病と診断され、就職するも退職。その後も実家で束縛の強い生活を続けてきたということです。

     転機は一昨年、親からの虐待体験集『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』の編集者との出会いでした。「それは明らかな虐待」と指摘され、「長年の苦しみには理由があったんだと救われた」。昨年、実家を出て親との連絡を絶ち、生活の立て直しを図っています。

     家出少女らを保護する民間シェルター「カリヨン子どもセンター」(東京)によると、受験シーズンになると、今回の女性のような体験をした子供が逃げ込む例が近年、目立つそうです。同センター所属の弁護士らが2012年、学会で「教育虐待」という言葉で報告し、広まってきました。

     教育ジャーナリストおおたとしまささん(44)は「身体への虐待に比べ、教育虐待は『教育熱心な親』と思われて発覚しにくく、親も『わが子のため』と考え、虐待の自覚がない」と指摘しています。

     今回のテーマに「親が子に勉強を迫って何が悪い」と違和感を覚えた方もいるかもしれません。ただ、そう考えてしまうことがすでに、この問題の「見えにくさ」を象徴しているとも言えます。現実には子供を所有物のように束縛し、追い込む親は存在します。

     「子供の失敗が許せない」「勉強しないと睡眠時間を削るなどの罰を与える」。そんな考えの方は要注意です。

     繰り返しになりますが、本日は大切な入試というお子さんもいます。もし望む結果にならなくても、親御さんには「よく頑張ったね」と認めてほしいと思います。(南部さやか)

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    2018年02月25日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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