2019全日本読売写真クラブ展 総評

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 全国の写真愛好家でつくる読売写真クラブ(YPC、37クラブ)の合同展、「2019全日本読売写真クラブ展」(個人部門)の審査が行われた。約2000点の応募作品を、写真家・立木義浩さんが審査、上位優秀作品7点を含む入賞100点が決まった。最優秀賞には中谷裕さん(東京)、審査委員特別賞には仲弘子さん(埼玉)が選ばれた。(カッコ内は所属クラブ。以下、敬称略) 

失敗恐れず 型から自由に…立木義浩

 親は子のかがみである。子は初めは親を、やがて世間を模倣する。人はまねする動物で創意工夫する動物ではないと、手厳しい話を先達から聞いたけれど、そうとも言えないのが写真である。全てのものは模倣から始まるというが、そのためには少しは写真を知っていなくてはならないのだが、カメラという道具から入る入り口もあれば、雑誌か展覧会でたまたま見た一枚の写真が写真を始めるきっかけになることだってある。もっと飛躍すれば音楽やスポーツを写真への入り口にする若者や元気な高齢者が現れないとも限らない。そうなると嫉妬するほどの写真と出会うかもしれない。心配ごとは、日本人に共通してそなわっている発想の型(星や灯は必ず「瞬く」、雨は「しとどに降り」、空気や水は必ず「澄む」)や紋切り型の表現に辟易としながら何やら安定感も悪くないと思う優柔不断がある。突破口として、ファインダーを覗きながら、何かの拍子に手に入れるものを大事にしながら作り上げない写真に挑戦するのはどうだろう。失敗を忌み嫌う人にとっては無理な話かもしれない。

 皆さんが普段カメラを向けている動物にしろ植物にしろ昨日今日作られたものではない。なんと38億年かけて改良を積み重ねた命の歴史の完成形として存在している。そんなものをいとも簡単に写せる時代になり、写る時代になった。だから自分の内側に潜んでいる写真のアンシャン・レジーム(旧体制)から脱出したい、いや相撲の決まり手、うっちゃりの方が、土壇場で劣勢を逆転する爽快感があって良いに決まっている。いくら御託を並べても写真には近づかない。写真って自由だからこそ思うままにならないし、終わりのない失敗は、本物に近づく良い階段だと囁くやつがいる。

〈全日本読売写真クラブ展〉
 【東京】 9月6日(金)~12日(木)午前10時~午後7時(最終日は午後4時まで)、
  富士フイルムフォトサロン(東京都港区赤坂9の7の3フジフイルムスクエア)
  (電)03・6271・3351

 【大阪】 9月20日(金)~26日(木)午前10時~午後7時(最終日は午後2時まで)、
  富士フイルムフォトサロン(大阪市中央区本町2の5の7メットライフ本町スクエア1F)
  (電)06・6205・8000

 【福岡】 10月25日(金)~30日(水)午前10時~午後6時30分、
  富士フイルムフォトサロン(福岡市博多区住吉3の1の1富士フイルム福岡ビル1F)
  (電)092・510・4800

 〈主催〉読売写真クラブ、読売新聞社
 〈協力〉富士フイルムイメージングシステムズ、キヤノンマーケティングジャパン株式会社

無断転載禁止
753635 0 全日本読売写真クラブ展 2019/08/21 11:10:00 2019/08/22 16:28:39 2019/08/22 16:28:39 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/08/20190820-OYT8I50038-T.jpg?type=thumbnail

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