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    番組作る 障害伝える

     「こんにちは『きぼうのつばさ』です」

     「カット、カット。少し速いね。焦らず、ゆっくり読んでいいよ」

     知的障害者が番組を製作するインターネット放送局「パンジーメディア」(大阪府東大阪市)での収録風景だ。障害者のグループホームなどを運営する社会福祉法人「創思苑」(同市)が彼らのことをもっと知ってほしいと2016年9月に放送を開始した。同グループホームの利用者らがプロデューサーやキャスター、記者、撮影などを分担して、約50分の番組「きぼうのつばさ」を製作。原則毎月第3金曜日にホームページで公開している。

    • 「はーい、お疲れさまです」。収録を終えたスタジオ。緊張が解け、笑い声が響いた(4月11日、大阪府東大阪市で)
      「はーい、お疲れさまです」。収録を終えたスタジオ。緊張が解け、笑い声が響いた(4月11日、大阪府東大阪市で)

     障害者をめぐるニュースのほか、半生を振り返る企画など。開局準備中には知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」(神奈川県相模原市)で大量殺傷事件が発生。番組で事件について寄せられた障害者の声を伝えた。1年後には現地に記者を派遣、入所者家族を取材し放送した。

     「事件の時、『障害者なんていなくなればいい』という被告の発言や、ネット上で同調する一部の反応が悲しかった。僕たちのことを知らないから、そういうことを言うんだと思った」。チーフプロデューサーで知的障害と脳性まひを持つ梅原義教さん(43)は話す。「僕たちも一人一人にうれしいこと、悲しいこと、意思があることを伝えたい」

     同法人の理事長・林淑美さん(68)は「最初は長文が読めなくて、緊張で表情も硬かったけど、最近はアドリブも。自信がついて、きちんとコミュニケーションがとれるようになり、何事にも前向きに取り組むようになってきました」と変化を喜んでいる。

    (写真と文 川崎公太)

     番組はパンジーメディアのホームページで視聴できる。

    • 来月の撮影に向けて、「わたしの歴史」の原稿を準備するチーフプロデューサーの梅原義教さん。職員の手を借り、かつて感じたことを打ち込んだ(5月17日)
      来月の撮影に向けて、「わたしの歴史」の原稿を準備するチーフプロデューサーの梅原義教さん。職員の手を借り、かつて感じたことを打ち込んだ(5月17日)

    • 4月に放送された「わたしの歴史」の台本。つらかったことの告白が心の解放につながる(3月28日)
      4月に放送された「わたしの歴史」の台本。つらかったことの告白が心の解放につながる(3月28日)

    • 公開前の試写会で、仲間が出演する様子を生き生きとした表情で見る人たち。「かっこいい、私も出たい」(4月16日)
      公開前の試写会で、仲間が出演する様子を生き生きとした表情で見る人たち。「かっこいい、私も出たい」(4月16日)

    • 仲間の収録を確認するのも彼らの仕事。施設の職員とともに撮影の研修を受け、機材を使いこなす(5月17日)
      仲間の収録を確認するのも彼らの仕事。施設の職員とともに撮影の研修を受け、機材を使いこなす(5月17日)

    2018年05月21日 15時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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