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    マスクの下には信州愛

     「いくぞーっ、ホイ、1、2、3、しんしゅうーっ」。レスラーのかけ声に、観客が「アップル、アップル」と叫んで応えた。長野の特産品であるリンゴを英語にして応じるのが、プロレス団体「信州プロレスリング」(長野市)の試合会場での風景だ。

    • 「さあみなさん、シャッターチャンスですよー」。鉄柵の上をレスラーが怖々と歩くと笑い声が上がった。ファンとの距離の近さも大きな魅力だ(5月26日、長野市で)
      「さあみなさん、シャッターチャンスですよー」。鉄柵の上をレスラーが怖々と歩くと笑い声が上がった。ファンとの距離の近さも大きな魅力だ(5月26日、長野市で)

     「長野を元気にする」を目標に掲げる信州プロレス。上田市出身のグレート☆無茶さん(46)が代表だ。東京の大学を卒業、外資系生命保険会社勤務などを経て戻った地元は、元気がないように思えた。学生時代のアマチュアプロレスラーの経験をいかし、活気づけたいと2007年に旗揚げした。

     モットーは「安全第一、台本重視、入場無料、雨天検討」。毎月の定期試合に、地元のイベントや児童養護施設への支援活動、税務署の納税PRに走る。

     30人を超えるレスラーの本業はシステムエンジニア、介護職員や中華料理店経営など様々だが、プロレス経験者は4人だけ。台本重視はけがをしないための工夫だ。運営は、地元企業の協賛金、グレートさんの講演料やイベント出演料などでまかなう。入場無料はプロレスに興味のない人にも来てほしいため。「子供に連れられてきた親が、最後には汗をかきながら一緒に叫んでくれています」

     2日、上田市中心部の商店街活性化のため開かれた祭りに信州プロレスが登場。覆面姿のレスラーが「児童養護施設への支援をお願いします」と親子連れに呼びかけた。

     祭りの発起人で実行委員会顧問の坂井博之さん(56)は「地元を盛り上げる同志として来てもらってます。大人に限らず子供も楽しめて、街を好きにしてくれる」と話した。

    (写真と文 川崎公太)

    • 商店街の祭りで、「児童養護施設に入っている子供たちが、県内でも約500人います」と支援を呼びかけるグレート☆無茶さん(6月2日、長野県上田市で)
      商店街の祭りで、「児童養護施設に入っている子供たちが、県内でも約500人います」と支援を呼びかけるグレート☆無茶さん(6月2日、長野県上田市で)

    • 受け身の練習をするレスラーたち。けがをしないために受け身の練習は念入りに(5月25日、長野市で)
      受け身の練習をするレスラーたち。けがをしないために受け身の練習は念入りに(5月25日、長野市で)

    • 整体院を営むジャイアント・レアボーズさん(44)は、けがで引退した元力士。「顔を出せないからマスクをかぶってるのに、娘が『おとうさーん、がんばってー』と声援をくれるんだ」(長野市で)
      整体院を営むジャイアント・レアボーズさん(44)は、けがで引退した元力士。「顔を出せないからマスクをかぶってるのに、娘が『おとうさーん、がんばってー』と声援をくれるんだ」(長野市で)

    • 本業は中華料理屋のマスクド☆丸幸さん(46)。「お客さんも応援に来てくれるよ」と厨房(ちゅうぼう)で中華鍋を振るう(長野県松本市で)
      本業は中華料理屋のマスクド☆丸幸さん(46)。「お客さんも応援に来てくれるよ」と厨房(ちゅうぼう)で中華鍋を振るう(長野県松本市で)

    2018年06月04日 15時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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