福の神 再興へ一歩

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 福をもたらす神々は、時に異形のいでたちで人々の前に現れる。「来訪神 仮面・仮装の神々」として昨年11月に国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された8県10件の来訪神行事。過疎化や少子化に直面する中、各地で守り、伝えられてきた「神々の今」を撮った。

石川県輪島市の五十洲地区で、10年ぶりに家々を巡るアマメハギ。富山市の大学2年生、冨田陸見さん(20)(左から2人目)は帰省して鬼のようなジジ面をかぶった。ちょうちんを手に先導した父親の和幸さん(53)(左)も35年前に面をかぶった(1月2日)
石川県輪島市の五十洲地区で、10年ぶりに家々を巡るアマメハギ。富山市の大学2年生、冨田陸見さん(20)(左から2人目)は帰省して鬼のようなジジ面をかぶった。ちょうちんを手に先導した父親の和幸さん(53)(左)も35年前に面をかぶった(1月2日)

 日本海の荒波を望む石川県輪島市門前町五十洲いぎす地区で2日夜、10年ぶりに集落を巡った「能登のアマメハギ」。同市や能登町に長年伝わってきた伝統行事だが、五十洲地区では担い手不足などから家庭を訪れる風習が一度は途絶え、神社での神事のみ執り行ってきた。復活の契機となったのはユネスコの無形文化遺産への登録だ。

 「昔は町中で子どもたちがアマメハギから逃げ回ったものだよ。今年は集落に呼びかけて若者や子どもたちに帰省してもらった」と自治会長の長岡健さん(71)。家々から久々に響きわたった子どもたちの泣き声に大人たちは正月の遠い思い出を重ね合わせた。

 喜びの声が上がる一方、担い手不足などを背景に、形を変えて行わざるを得ない地域もある。

 秋田県男鹿市の双六すごろく地区の「男鹿のナマハゲ」では外国人留学生にもナマハゲ役になってもらっている。岩手県大船渡市の「吉浜のスネカ」を大人たちと共に担うのは地元の中学生たちだ。

 ふるさとの風習が世界の宝へと変わった。それでも自分たちの「神々」を守り、継承していこうとする人々の思いは変わらない。

 (写真と文 冨田大介、関口寛人)

出発式で記念撮影に応じる岩手県大船渡市の「吉浜のスネカ」。約300世帯を回るため、大人だけでなく地元の中学生19人も神々を担った。吉浜中2年生の白木沢朔也さん(14)は「世界中にスネカを知ってもらえる。誇りを持てる伝統文化」と力を込めた(1月15日)
出発式で記念撮影に応じる岩手県大船渡市の「吉浜のスネカ」。約300世帯を回るため、大人だけでなく地元の中学生19人も神々を担った。吉浜中2年生の白木沢朔也さん(14)は「世界中にスネカを知ってもらえる。誇りを持てる伝統文化」と力を込めた(1月15日)

秋田県男鹿市の芦沢地区では、30年以上前まで使っていた伝統のナマハゲのお面を2014年に復活させた。振興会青年部などが主体となり、大みそかの本番に向けた準備が進んでいた(昨年12月5日)
秋田県男鹿市の芦沢地区では、30年以上前まで使っていた伝統のナマハゲのお面を2014年に復活させた。振興会青年部などが主体となり、大みそかの本番に向けた準備が進んでいた(昨年12月5日)

「体も大きいし、一番ナマハゲらしいんでねぇが?」。衣装を身に着けたキプロスからの留学生、キリアコス・アナスタシウさん(24)を見上げて地元保存会の三浦幹夫さん(69)は笑顔を見せた(昨年12月31日、秋田県男鹿市で)
「体も大きいし、一番ナマハゲらしいんでねぇが?」。衣装を身に着けたキプロスからの留学生、キリアコス・アナスタシウさん(24)を見上げて地元保存会の三浦幹夫さん(69)は笑顔を見せた(昨年12月31日、秋田県男鹿市で)

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402971 0 ズームアップ 2019/01/28 15:00:00 2019/02/04 10:44:39 2019/02/04 10:44:39 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190128-OYT8I50019-T.jpg?type=thumbnail

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