トランプ氏、G7で「シンゾウの意見なら従う」

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 【ケベック市(カナダ東部)=池田慶太】9日に閉幕した主要国首脳会議(シャルルボワ・サミット)は、米国と欧州各国が貿易問題を巡り激しく対立した。

 安倍首相は米欧の仲介役となり、首脳宣言取りまとめに存在感を示した。

 サミット初日の深夜。先進7か国(G7)の首脳間の協議で、トランプ米大統領が、首相にファーストネームでこう呼びかけた。

 「シンゾウの意見が聞きたい。あなたの意見なら従う」

 この時、世界貿易機関(WTO)ルールに基づく貿易体制の推進を首脳宣言に明記すべきだと主張する欧州首脳に対し、トランプ氏は真っ向から反対を唱え、孤立状態にあった。トランプ氏には貿易問題を、WTOによる中立的なルールではなく、2国間交渉で優位に進めたい思惑がある。

 首相は「『WTO』や『ルールに基づく』という表現が入らないのはおかしい」とする一方で、「首脳宣言がだめなら議長声明でどうか」と妥協案を示し、双方に歩み寄りを促した。

 翌朝も首脳らが集まり、激しい議論が続いた。首相は重ねて「自由で公正な貿易体制をG7として結束して表明すべきだ」と訴えた。トランプ氏は「わかった」と折れたが、最後まで「WTOルール」の表現を拒否した。首脳宣言は、広い意味に解釈ができる表現「ルールに基づく国際的貿易体制」で落ち着いた。

 首相のサミット出席回数は計7回。ドイツのメルケル首相の13回には及ばないが、続くカナダのトルドー首相の3回を大きく引き離す「常連」だ。さらに安倍首相は、トランプ氏と電話を除き、すでに7回の首脳会談を重ね、個人的な信頼関係もある。仲介役を務めるのは必然と言えた。

 首相は閉幕後の内外記者会見で「首脳同士、直接本音をぶつけ合い、合意できたことは大きな意義がある」と強調した。だが、対立は収束していなかった。

 閉幕から3時間後、トランプ氏は「首脳宣言を承認しない。自動車の関税措置を検討するためだ」とツイッターで表明した。トルドー氏が記者会見で、米国による鉄鋼、アルミニウムの輸入制限を批判したことへの「報復」とみられる。

 安倍首相が一役買って、ようやくまとまった首脳宣言だったが、トランプ氏によって事実上、ほごにされた。

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25591 0 政治 2018/06/12 07:17:00 2019/01/16 10:42:46 2019/01/16 10:42:46 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180612-OYT1I50002-T.jpg?type=thumbnail

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