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    文化庁移転「なぜ府が負担」府議会で疑問の声も

    • 協議会の冒頭、握手をする(左から)門川市長、梶山地方創生相、林文科相、西脇知事(文科省で)=高橋美帆撮影
      協議会の冒頭、握手をする(左から)門川市長、梶山地方創生相、林文科相、西脇知事(文科省で)=高橋美帆撮影
    • 文化庁が入居する予定の府警本部本館(京都市上京区で)
      文化庁が入居する予定の府警本部本館(京都市上京区で)

     政府が2021年度中を目指す文化庁の京都移転を巡り、移転先の庁舎賃料などの費用負担に関する国と地元の協議が7日、まとまった。移転決定から2年5か月。初の中央省庁の地方移転に向け、大きな山場を越えたことになる。

     「一歩一歩着実に方針を固めることができた」

     この日、文部科学省で開かれた「文化庁移転協議会」で、林文科相はこれまでの経過を晴れやかな表情で振り返った。

     政府が「地方創生」の一環で文化庁の移転を決めたのは、16年3月。移転先は、1927年に建設された府警本部本館(京都市上京区、約4300平方メートル)と、隣接地に京都府が建設する新行政棟の一部(約2400平方メートル)で、職員の7割にあたる約250人を東京から移す予定だ。

     協議会では、府が国に対し、2棟の賃料について、土地分(年約3500万円)を無償とし、建物分(年約1億6800万円)を4割減額することで合意した。国が府に支払う賃料は年約1億円。土地と建物を合わせると、国と府の負担割合は実質的に1対1となる。

     府警本部本館の耐震化などの改修費約20億円と、新行政棟の建設費のうち文化庁の入居該当分約12億円は、府と京都市が折半することも決まった。

     ただ、関係者によると、賃料を巡る協議はすんなりとは行かなかった。府は、移転は地元にもメリットがあるとして、「応分の負担」をすると国に約束。建物分の賃料について、国直轄事業の地元負担割合に準じ、「3分の1」を減額する案を示したが、国は「2分の1」を主張した。最終的に4割減額で折り合ったものの、7月中を目指していた合意時期は8月にずれ込んだという。

     西脇知事は協議会終了後、記者団に対し、「応分の負担を前提に誘致し、(国に)移転を決定してもらった経緯もあり、(負担割合は)適切だ」と強調した。京都市の門川大作市長は府警本部本館の改修費などについて、「府と対等に責任を果たす」と明言した。

     府は今年9月~20年3月に同本館の基本設計などを行い、新行政棟の予定地で埋蔵文化財の調査を実施。20年7月~21年12月に同本館の耐震改修や新行政棟の建設工事を行う予定だ。

     ただ、府議会では、地元負担に疑問の声も根強い。共産党府議団の光永敦彦幹事長は「省庁移転は本来、国のプロジェクトなのに、なぜ府が負担するのか。移転の目的や負担のあり方について、府民的な議論が必要だ」と指摘する。

     これに対し、西脇知事は「(移転で)京都の文化的な発信力が高まり、経済の活性化にもつながる。(議会には)きっちりと説明して理解を得たい」と述べた。(上杉洋司、升田祥太朗)

    2018年08月10日 08時23分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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