北方4島、日露で賠償請求放棄案…日本が提起へ

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 日本政府は、ロシアとの平和条約交渉で、北方4島に関する賠償などの請求権を互いに放棄するよう提起する方針を固めた。平和条約と同時に、請求権放棄を定めた協定を締結する案が浮上している。戦後、自らの土地に住めない状態を強いられた日本人の元島民らには、日本政府が補償する方向で検討している。

 複数の日露交渉筋が明らかにした。両国間の戦後処理を終わらせ、未来志向の関係を構築する狙いがある。

 1956年の日ソ共同宣言は両国間の戦争状態を終結させるとともに、「(旧ソ連が対日参戦した)45年8月9日以来の戦争の結果として生じたすべての請求権を相互に放棄する」と明記した。

 しかし、日本政府は「共同宣言は戦争状態が終わるまでの『略奪や財産の損壊』を念頭に置いたもので、元島民の土地所有権などに基づく請求権は放棄していない」(関係筋)との立場だ。日本の領土であるにもかかわらず戦後も占領が続いた北方4島について、日本政府は、国や元島民がロシアに賠償などを求める権利があるとしてきた。

 だが、賠償請求する権利を認めたままでは、「ただでさえ難しいロシアとの領土交渉がさらに困難になる」(政府関係者)と判断した。

 元島民は昨年3月現在で、約6000人。島が不法に占拠されていた間、土地を使うことができなかったなどの財産権の侵害について、ロシアに賠償請求できない代わりに、日本政府が見合う額を元島民らに補償する方向だ。仮に日本への返還が2島にとどまり、残り2島がロシア領となった場合、元島民はロシア領となった島の土地など財産権を失うため、日本政府が同様に見合った額を補償することを検討している。

 ロシアについては、「日本に賠償を求める事案は考えにくい」(日本政府関係者)が、両国間の戦後処理を終結させるため、一切の請求権を放棄するよう求める。これとは別に、日本政府は、経済協力などの名目でロシアを支援することも視野に入れている。

 平和条約や請求権放棄の協定の内容が固まった後、日本政府は補償などに必要な国内法の整備を進める。

 日本の戦後補償問題では、1965年に韓国との間で、日本が5億ドルの経済協力を行い、請求権問題が「完全かつ、最終的に解決された」とする日韓請求権・経済協力協定を締結した。52年発効のサンフランシスコ講和条約でも、多くの締約国が日本への賠償請求権を放棄した。

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58560 0 政治 2019/01/08 06:00:00 2019/01/08 06:00:00 2019/01/08 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190107-OYT1I50031-T.jpg?type=thumbnail

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