雇用保険の過少給付、15年間あわせて数百億円

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 厚生労働省の「毎月勤労統計」の調査手法が誤っていた問題で、統計の平均給与額を基に算定される雇用保険の失業給付の過少給付が、誤調査が始まった2004年からの15年間で計数百億円に上ることが関係者への取材で分かった。政府は過少給付していた人に不足分を遡って支払う方針で、昨年12月に閣議決定した19年度予算案を修正する。

 過少給付は労災保険でも判明しており、影響額はさらに膨らみそうだ。根本厚労相が11日、問題のいきさつや詳しい額、今後の対応策について公表する。

 毎月勤労統計は、従業員の給与や労働時間の変化などを把握する目的で実施している。国の「基幹統計」に位置付けられ、雇用・労災保険のほか、国内総生産(GDP)などの計算にも使われる。調査は都道府県を通じて実施している。

 従業員5~499人の事業所は無作為に抽出して調査する一方、500人以上の大規模な事業所は全てが調査対象で、全国で計約3万3000事業所となる。

 ところが、東京都内では従業員500人以上の事業所(18年1月時点で1464事業所)のうち、厚労省が3分の1程度を抽出して行われていた。

 給与水準が高い傾向にある大規模事業所のデータが実際より少ないと、平均給与額が実態よりも低く算出される可能性が高い。厚労省が一定の条件で推計したところ、保険の給付が本来の額より少なく支給されていたことが判明。このうち雇用保険では数百億円に上ることを確認した。

 抽出調査の結果を本来の調査結果に近づけるため、18年1月からはデータの補正をしていることも分かった。これ以前は抽出調査の結果のみで集計していたが、当時は変更したことを公表していなかった。

 厚労省は、過少給付があった場合は遡って差額を支給する方針だが、連絡先が分からないケースも想定される。このため、専用窓口を設けて対象者に申請してもらうなどの支給方法を検討している。

 これを受け、政府は19年度予算案を修正し、改めて閣議決定する方針だ。閣議決定済みの予算案の修正は異例の事態となる。

 19年度予算案では、失業給付など労働保険特別会計への繰入額として260億円を計上している。過少給付につながっている可能性があることから、予算案を組み直して追加給付分を反映させる方向だ。

 菅官房長官は10日の記者会見で「予算については厚労省の調査結果を踏まえ、必要があれば適切に対応する」と述べた。

9850 0 政治 2019/01/11 06:00:00 2019/01/21 12:03:41 2019/01/21 12:03:41 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190111-OYT1I50005-T.jpg?type=thumbnail

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