中露北を念頭、米が日本に新レーダー配備検討

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 米国を狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)への迎撃態勢を強化するため、米政府が大型固定式レーダーの日本配備で協力を求める意向を持っていることがわかった。近く日本政府に打診し、協議を始めたい考えだ。中国、ロシア、北朝鮮による対米攻撃を念頭に置いている。

 複数の日米関係筋が明らかにした。

 日本への配備を検討しているのは「HDR(米本土防衛レーダー)」と呼ばれる新型のレーダー。米本土のほかハワイ、米領グアムなどに向かうICBMを発射地点近くから追尾する。人工衛星を攻撃する「キラー衛星」やスペースデブリ(宇宙ゴミ)の監視にも利用するほか、レーダーが得た情報は自衛隊と共有する方向だという。

 米軍は2023年にハワイで同型レーダーの運用を始める予定だ。日本配備は25年までに行い、ハワイのレーダーと連携運用することを目指している。

 米国は現在、自国を守る地上配備型のミサイル迎撃システム「GMD」を保有している。ミサイル本体はアラスカ州とカリフォルニア州に配備し、同州などにあるレーダーで追尾する。しかし、近年は車両で運搬可能なICBMを中国が開発するなどし、発射の兆候を把握するのが難しくなっている。より正確な迎撃を行うには、発射後の短時間に様々な情報を得る必要があり、発射場所に近い所からミサイルを追尾できるよう、態勢を整えることにしたとみられる。

 トランプ米大統領は17日に発表した「ミサイル防衛見直し」(MDR)で、中露や北朝鮮によるICBMの脅威を指摘し、ミサイル防衛の態勢を強化する方針を打ち出した。HDR開発も、その一環と位置づけている。

 米軍は既に、ICBMより射程が短い弾道ミサイルを追尾するため、移動式のレーダー「TPY2」(Xバンドレーダー)を青森県と京都府に展開している。ただ、今回のような固定式レーダーを設置する場合は、恒常的に使える用地を確保する必要があり、周辺への電波の影響なども考慮しなければならない。このため日本政府は、米国から正式にHDR配備の打診を受け次第、受け入れの可否を慎重に検討する方針だ。

 日本政府は、北朝鮮によるミサイル攻撃などを念頭に、新たな地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の配備を決めている。陸上自衛隊が25年度頃に運用を始める見通しだが、配備予定地の秋田、山口両県では反対論も根強い。

大陸間弾道ミサイル Intercontinental Ballistic Missileの略。大陸間を飛行するミサイルの総称で、冷戦時代に米ソが調印した第2次戦略兵器制限条約(SALT2)では、射程が5500キロ・メートル以上と定義された。米国、ロシア、中国が保有し、北朝鮮も発射実験を繰り返してきた。

401831 0 政治 2019/01/28 07:17:00 2019/01/29 10:13:43 2019/01/29 10:13:43 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190128-OYT1I50000-T.jpg?type=thumbnail

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