ダウンロード規制 異論強く 著作権法改正案 先送り

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政府・与党 参院選後仕切り直しへ

 政府は13日、漫画などの「海賊版サイト」対策を強化する著作権法改正案について、今国会への提出見送りを決めた。一部漫画家や有識者の反対を受け、自民党内で想定以上に異論が広がったためだ。混乱が長引けば夏の参院選に影響しかねない、との判断もあったとみられる。

 政府案に一転反発

 「国民の不安、懸念の払拭ふっしょくに至っていない」

 自民党文部科学部会と知的財産戦略調査会による同日の役員会後、赤池誠章文科部会長はこう述べ、文化庁に法案練り直しを求めた。政府・与党は参院選後に仕切り直す考えだ。

 今回の法案審査は異例の経過をたどった。

 2月中旬から始まった党文科部会の審査では、政府が示した原案通り了承された。しかし、3月1日の総務会で事態は一変した。MANGA議員連盟会長で、総務会の総務も務める古屋圭司衆院議員が、見直しを要求したためだ。

 古屋氏が問題視したのは、海賊版と知りつつダウンロードした場合、私的利用でも違法とする対象の範囲だった。現行制度では、映像と音楽に限られる。政府案は、これを漫画や写真、文章など著作物全般に拡大するとしたため、「インターネットの利用を萎縮いしゅくさせかねない」と懸念する声が出た。スマートフォンなどによる画像保存(スクリーンショット)が規制対象になりうることにも異論が相次いだ。

 古屋氏は、法案のうち著作物全般に規制を拡大する記述を削除するよう要求。日本漫画家協会なども「原作のままダウンロードし、かつ著作権者の利益を不当に侵害した場合」に限定して規制すべきだと主張した。文化庁は、刑事罰の対象を「反復継続した」悪質なケースに限定するなど懸念の声に配慮していたが、批判は収まらず、法案は総務会の了承を得られなかった。

 「答弁持たない」

 自民党総務会は「全会一致」が原則だ。党内で意見が対立した場合、反対する総務が自主的に退席し、その後に法案を了承するなど「大人の対応」(党幹部)で乗り切るケースもあった。ただ、異論を残したまま国会に臨めば、野党の追及材料となりかねない。参院選を勝負所と見る安倍首相にとって、今回のようなケースは避けたいのが本音だ。

 古屋氏が首相と近いことが影響したとの見方もある。法案提出の見送り決定に先立ち、首相官邸関係者は文化庁を所管する柴山文科相に「国会答弁が持たない」と懸念を伝え、秋の臨時国会以降とするよう暗に求めていた。

         ◇

 日本漫画家協会の赤松健常務理事は13日、「一般国民への影響が大きすぎる案は不本意だった」と、提出見送りを歓迎した。海賊版の情報収集などを行うコンテンツ海外流通促進機構の後藤健郎代表理事は「違法となる行為への誤解もあったようで残念だ」とコメントした。

488331 1 政治 2019/03/14 05:00:00 2019/03/14 05:08:01 2019/03/14 05:08:01 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190314-OYT1I50031-T.jpg?type=thumbnail

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