皇位継承順位を維持へ…政府、秋にも議論着手

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 政府は安定的な皇位継承策の検討にあたり、現在の皇位継承順位を変更しないことを前提とする方向だ。女性・女系天皇をめぐる議論が継承順位の見直しにつながれば、皇室制度が動揺しかねないと判断した。今秋にも有識者会議などの場を設け、具体的な議論を始める。

 

制度の混乱回避狙う

 皇位継承資格を持つ男系男子の皇族は3人。継承順位は〈1〉皇嗣こうしの秋篠宮さま(53)〈2〉悠仁さま(12)〈3〉常陸宮さま(83)――となっている。

 政府関係者によると、皇位の安定継承の議論は、〈1〉まず3人の男系男子が現在の順位に従って皇位継承することを明確にする〈2〉そのうえで具体的な安定継承策や皇族数の減少対策を検討する――という2段階で進める構えだ。

 政府がこうした段取りで議論しようとするのは、野党が女系天皇や女性天皇の実現を主張しているためだ。

 野党第1党の立憲民主党は6月、女性・女系天皇を容認し、皇位継承順位は性別にこだわらず天皇の直系子孫の長子を優先するとの論点整理を発表した。仮に立民案を現時点で当てはめると、今は皇位継承権を持たない天皇、皇后両陛下の長女愛子さま(17)が1位となる。野党第2党の国民民主党も女性天皇を認めており、主張通りであれば1位は愛子さまとなる。

 しかし、政府や国会で女性・女系天皇をめぐる議論が本格化すれば、「愛子さまと悠仁さまのどちらに天皇に即位していただきたいかという論争になりかねず、国論を二分する可能性もある」(政府高官)。政府は、皇位継承順位をめぐる議論が紛糾し、国民統合の象徴としての天皇の地位に影響を及ぼす事態になることを懸念している。

 2017年6月に成立した平成の天皇陛下の退位を実現する特例法の付帯決議は、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」などを検討するよう政府に求めている。政府は、現在の天皇陛下が即位を国内外に宣言する「即位礼正殿の儀」が行われる秋以降、議論に着手する。

 皇室は天皇陛下、上皇さま、他の皇族方の計18人からなるが、皇位継承権のある男系男子は減っている。小泉内閣が設けた有識者会議は05年、女性・女系天皇の容認などを盛り込んだ報告書をまとめた経緯がある。

 

安定継承 冷静な検討必要

 政府が今の皇位継承順位を変えないことにしたのは、皇位の安定継承策を静かな環境で検討する狙いがある。

 読売新聞社が5月に行った全国世論調査では、女性天皇には79%、女系天皇にも62%が賛成した。野党が女性・女系天皇に前向きなのは、こうした世論を踏まえたものだ。

 一方、男系男子の伝統を重んじる自民党保守派などは反発している。戦後に皇籍を離脱した旧皇族の男系男子の復帰を望む声もあり、議論は難航が必至だ。政府は今の継承順位に手を付けようとすれば、保守派を刺激するだけで、建設的な議論が期待できないとみている。

 今後も皇族女子が結婚で皇籍を離脱し、皇族数がさらに減ることが予想される。安定的な皇位継承のためには、与野党が将来を見越して冷静に話し合える土台づくりが不可欠だ。(政治部 傍田光路)

 ◆女性・女系天皇

 皇室典範は、皇位継承資格者を「男系の男子」に限っている。しかし、過去には8人10代の女性天皇がおり、いずれも父方の系統が天皇の血を引く男系女子だった。女系天皇は父方が天皇の血を引かない天皇で、男女を問わず例がない。

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711211 0 政治 2019/07/27 05:00:00 2019/07/27 07:09:12 2019/07/27 07:09:12 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/07/20190727-OYT1I50011-T.jpg?type=thumbnail

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