日韓外相、着席後も険しい表情…無言で向き合う
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【バンコク=阿部雄太、豊浦潤一】河野外相は1日、バンコクで韓国の

両氏の直接会談は、日韓請求権・経済協力協定に基づく仲裁手続きが7月18日に期限切れとなって以降初めて。両氏は会談冒頭の握手で険しい表情を崩さず、着席直後も無言で向き合ったままだった。
会談では、河野氏が徴用工問題について「韓国側の責任で国際法違反の状態を是正するよう強く求める」と述べた。康氏は具体的な解決策を示さず、「協議するための時間が必要だ」と主張したという。
日本政府による対韓輸出管理の厳格化では、康氏が輸出手続き簡略化の優遇措置である「ホワイト国」から韓国を外さないよう求めた。河野氏は、安全保障のための見直しだとする日本の立場を説明したとみられる。
日本政府は2日にも韓国の除外を閣議決定する方針だ。韓国側によると、康氏は閣議決定された場合、日韓関係に「重大な影響」が及ぶと述べた。「韓日の安全保障協力の枠組みに影響があり得る」とも語り、北朝鮮の核・ミサイル情報を共有するための日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する可能性を示唆した。
一方で、両氏は短距離弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮をめぐる情勢について、日韓や日米韓で緊密に連携する方針を確認した。今後も外相レベルを含む日韓の外交当局間で緊密に意思疎通を図ることで一致した。
日韓の対立が続く中、米国のポンペオ国務長官は2日の日米韓外相会談で仲介に乗り出す考えだ。ポンペオ氏は1日、バンコクで記者会見し、「日韓が共に緊張緩和に向けた道を見いだすことを希望している」と語った。河野、ポンペオ両氏はこの日、日韓関係について短時間協議した。