さいたま市への思いや誇り、旧4市で共有できるか…20年来の懸案「市民憲章」ようやく策定へ

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 さいたま市は2021年の市誕生20周年に向け、市民憲章の策定作業を進めている。旧浦和、大宮、与野各市で01年5月に合併した当時から、一つに生まれ変わった市の住民として目指す姿を示す市民憲章の策定は懸案となっていたが、05年4月に合併した旧岩槻市を含めてそれぞれの思いもあり、策定には至っていなかった。旧4市の特色を踏まえつつ、「さいたま市」としての郷土への思いや誇りを共有できる憲章を作ることができるか。節目の年を前に、市に問われている。

 旧4市には、それぞれ市民憲章があった。「未来をのぞむ文化都市」(浦和)、「武蔵国一の宮の『おおいなる宮居』からおこりました」(大宮)、「霧敷川の流れとともに歩みつづけてきた」(与野)、「太田道灌築城以来、城下町として栄えてきた」(岩槻)――。各市が地域の特色を盛り込んでいた。

 市民憲章を巡っては、旧浦和、大宮、与野各市の合併協定書に「新市において検討する」と記されている。だが、当時を知る関係者は「憲章に地域の名前を出すにも、浦和を先に出すか、大宮を先に出すかでまとまらなかった」と話す。

 02年度に政令指定都市移行記念事業として、さいたま市の市民文化部で検討を始めたが、策定に至らなかった。11年の都市経営戦略会議で、12年度当初予算案に策定の業務委託費など900万円を計上することも検討したが「オールさいたま市として統一したイメージを打ち出すまで機運が高まっていない」(市副参事)として見送られた。

 市によると、全国20の政令市のうち市民憲章があるのは13市。ある市議は「なくても生活に困るものではない。市庁舎移転などの課題がある中、積極的に一つにしていこうという機運がなかった」と語る。

 来年に市誕生20周年を控え、市は「記念すべき年を前に制定するのが望ましい」として、ようやく策定に本腰を入れた。今年6月には、審議会の開催費など580万8000円を含んだ補正予算を計上した。6、7月に中学生から意見を聞き、7~9月には市民アンケートを実施し、9、10月に市民からの意見を聴くタウンミーティングを各区で開催。9月27日には学識経験者や公募市民らによる審議会の初会合が開かれた。委員からは「旧4市はまだまだ一つになっていない」「市を特徴づける文言が必要」などの意見があった。

 市は年明けに審議会から憲章案の答申を受け、21年秋の制定を目指している。

 審議会の委員で、さいたま観光国際協会会長の筑波伸夫さん(65)は「旧市に対しての思いに固執すると、まとめるのが難しくなる。一方で、特色を盛り込まなければどこにでもある憲章になってしまう。『俺が、俺が』はもうやめて、旧市を知らない若い人たちが希望を抱ける憲章にしなければいけない」と話している。

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1563340 0 政治 2020/10/20 17:29:00 2020/10/20 19:42:09 2020/10/20 19:42:09

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