【独自】「温室ガス2050年までにゼロ」法制化へ…政府、国内外に決意示す
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政府は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標を法制化する方針を固めた。政府の長期目標を法律で位置づけるのは異例だ。「50年排出ゼロ」を国策として強力に推進する姿勢を国内外に示す狙いがある。

具体的には、環境省が地球温暖化対策推進法(温対法)に「50年排出ゼロ」を盛り込む方向で、21日にも開かれる有識者検討会で方針を示す。来年の通常国会に改正案を提出する方針だ。
政府の温暖化対策の中長期目標はこれまで、同法に基づく実行計画に盛り込まれてきた。16年に作成した現行計画では、温室効果ガスを30年度に13年度比で26%減らし、50年までに80%の削減を目指すと規定されている。
新たな目標を、閣議で決定する実行計画から国会の議決が必要な法律に「格上げ」することで、政権交代時などでの方針転換のハードルを高くし、政策の継続性を担保する狙いがある。さらに来年11月に英国で開かれる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、日本が環境先進国であることを国際社会に発信したい考えだ。
改正案では「50年まで」という年限を明記するとともに、温室効果ガスの排出量と森林などの吸収量を均衡させる「実質ゼロ」を意味する「脱炭素社会の実現」を盛り込む。産業革命前と比較した気温の上昇幅を「2度を十分に下回り、1・5度に抑える努力をする」と定めた国際的な枠組み「パリ協定」の目標も取り込む予定だ。