緊急事態期間、延長の可能性も…尾身会長「1か月未満でステージ3、そう簡単ではない」
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政府は緊急事態宣言を7日に発令し、1か月にわたって集中的な新型コロナウイルス対策を講じることで、感染を食い止めたい考えだ。これに対し、尾身茂・新型コロナウイルス感染症対策分科会長は「1か月未満でステージ3に近づけることは頑張れば可能」としながらも、実現は「そう簡単ではない」と指摘する。
政府の基本的対処方針は宣言の解除時期について、感染状況が最も深刻な「ステージ4」から「ステージ3」の水準まで下がることを目安として示した。
一方、対処方針には「政府対策本部長(首相)が総合的に判断する」とも明記した。新規感染者数の減少などの6指標だけに頼らず、柔軟に判断する余地を残したものだ。内閣官房幹部は「医療状況の改善にメドが立てば、感染者数がある程度多い状況でも弾力的に宣言を解除すべきだ」と語る。
ただ、分科会の委員からは「ステージ3になればすぐ解除するのではなく、着実にステージ2に向かうことが確認できないと解除すべきではない」との声が上がっている。こうした意見を踏まえ、対処方針には「解除後の対策の緩和は段階的に行い、必要な対策はステージ2相当以下に下がるまで続ける」との文言が最終的に追加された。宣言が延長となり、発令期間が1か月を大きく上回る可能性もある。