河野氏「想像を絶する」、迅速接種へ課題続々…輸送・人手・会場
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新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、政府の描くスケジュール通りに実施するには多くのハードルが待ち構えている。コロナ対応への批判が強まる中、菅首相は、ワクチン接種に向けた調整担当に河野行政・規制改革相を起用した。迅速な接種を進め、苦境からの脱却を図りたい考えだ。

首相は19日、河野氏と首相官邸で会談し、「しっかりやってほしい」と指示した。河野氏は会談後、記者団に「1億2000万人分のワクチン接種は、想像を絶する。一から十まで課題(ばかり)だ」と表情を引き締めた。
これに先立ち、首相は同日、自民党の二階幹事長、森山裕国会対策委員長らと会談し、接種開始をできる限り早める考えを示した。政府は、ワクチン接種を「感染対策の決め手」と位置づけており、2月下旬の開始を想定する。先行して接種の対象となる医療従事者や高齢者ら以外の国民については、5月にも接種を始めることを目指している。

首相が河野氏に白羽の矢を立てたのは、発信力に期待しているためだ。河野氏は、ツイッターのフォロワー数が200万人を超えており、「国民に理解と協力を求めるのに適任」(ベテラン)というわけだ。接種が始まっている欧米では事前の想定よりペースが遅れており、首相は、河野氏をトップに万全の態勢を築くことで、円滑な接種につなげたい考えだ。