中韓に対抗、造船業界を政府支援へ…温室ガス「排出ゼロ船」開発に補助金

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 政府は、中国や韓国勢との受注競争や新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ国内造船業界の支援に乗り出す。脱炭素を推進する観点から温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション(排出ゼロ)船」などの開発に補助金を交付し、減税で事業再編を促す。関連法案を今国会に提出し、早期成立を目指す方針だ。

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 法案は、造船会社が事業再編や生産性向上を進めるため、最大5年間の事業計画を提出し、国が認定すれば、予算措置や減税、低利融資で優遇することが柱だ。

 具体的には、水素やアンモニアを燃料とする「ゼロエミッション船」や、遠隔操作で運航可能な自動運航船など、次世代技術の開発に必要な経費の50%を最長3年間にわたって補助する。事業再編に伴う不動産所有権の移転登記などに必要な登録免許税を軽減し、デジタル化やサプライチェーン(供給網)の統合などを予算措置で後押しして造船会社の大規模化や集約化を加速させる。

 政府は事業計画を通じ、雇用など地域への貢献度を審査する。このため、中国企業などは事実上、支援の対象外となる見通しだ。高性能・高品質な船舶を導入した海運会社について、固定資産税の減税などで優遇する制度も創設する。

 世界の造船市場では近年、政府の強力な支援を受けた中国、韓国勢が価格競争で優位に立ち、シェア(占有率)を伸ばしている。新造船の建造量に占める日本の占有率は、1980年代には約50%だったが、2019年は24%に落ち込んだ。中国は34%、韓国は32%を占める。さらにコロナ禍で船舶需要は落ち込んでおり、国内造船業は大きな打撃を受けている。

 政府は昨年2月、国土交通、財務両省と金融庁などによる検討チームを作り、対策を調整してきた。

 日本の貿易は重量ベースで99・6%を海上輸送が占める。国内造船業が衰退すれば、船舶の調達が不安定になり、経済安全保障が脅かされる恐れがある。造船業は下請け企業を含めた産業の裾野が広く、苦戦が続けば、地域経済への影響も避けられないため、国が主導して事業基盤を強化する必要があると判断した。

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