原発性の肺腺がんで入院中、福岡県知事が辞職意向…治療長期化か
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肺腺がんで入院中の小川洋・福岡県知事(71)が知事を辞職する意向を周囲に伝えていることが21日、関係者への取材でわかった。22日にも、県議会に辞意を明らかにする方向で調整が進んでいる。治療の長期化が見込まれることから、知事を続けるのは困難だと判断したとみられる。
公職選挙法の規定で知事選は、辞職の申し出を受けた議長が5日以内に県選挙管理委員会に通知し、その後50日以内に行われる。今後、後継選びが本格化する。

小川氏は昨年12月、肺炎の症状で1週間、福岡市の九州大病院に検査入院。その後も、せきや息苦しさの症状が出て1月20日に再入院した。県は2月9日、病名を原発性の肺腺がんと公表し、胸水がたまる症状も出ているとしていた。予定していた12日の公務復帰を断念して療養を続けることになり、服部誠太郎副知事が3月末までの予定で職務代理者を務めている。
福岡県では新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が続いている。県は2月22日に開会する県議会定例会に、新型コロナ対策を盛り込んだ新年度当初予算案を提案する予定だ。
小川氏は福岡市出身。京都大を卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入り特許庁長官などを歴任し、内閣広報官も務めた。前知事から後継指名を受けて臨んだ2011年の知事選で初当選。前回19年の知事選は保守分裂となったが、大差で3選を果たした。
自動車生産の拠点化、高齢者の社会参画を推進したほか、「スポーツ立県」を掲げて、ラグビー・ワールドカップ日本大会の試合を誘致するなどした。昨年4月には観光振興の財源とする宿泊税を導入した。3期目の任期を23年4月まで残しており、今春、知事就任10年となる予定だった。