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「夫婦別姓」国で議論を、地方議会で相次ぐ意見書…SNSが後押し

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 全国の都道府県、政令市、東京23区の計90議会のうち、4分の1にあたる23議会で2020年までの3年間に、選択的夫婦別姓について国会で議論することや、制度の法制化を求める意見書を可決していることが、読売新聞の調査でわかった。10年ほど前には、法制化反対の意見書が相次いで可決されている。この間に地方議会の意識が大きく変化したのはなぜなのか。

「反対」から「議論」へ流れ変わる

 調査は昨年12月~今年1月に実施。2010年以降の選択的夫婦別姓に関する意見書の可決状況を尋ね、対象の全90議会から回答を得た。

 それによると10~11年には25議会が意見書を可決。うち24件は制度導入などに反対する内容で、制度導入を求めたのは1件だけだった。

 12年以降は動きが途絶えていたが、ここにきて18年に1件、19年に13件、20年に9件と、3年間で計23件の意見書が可決。三重県や札幌市など7議会は法制化の実現などを求め、神奈川県や名古屋市など16議会は国会での議論を要望している。制度導入に反対する意見書はなかった。

最高裁判決や社会の変化が影響

 影響しているのは、2015年12月に出された最高裁判決だ。民法の夫婦同姓の規定を合憲とする一方で、制度のあり方は「国会で判断されるべきだ」との見解を示した。

 しかし、この判決以後も、国会での議論は進んでいない。ある地方議員は「国会で議論が進まない現状への地方議会の異議申し立てのようなもの」と話す。

 社会意識の変化も見逃せない。内閣府が17年、全国の18歳以上の男女5000人に行った世論調査では、選択的夫婦別姓の導入について「法改正しても構わない」とする意見は42.5%に上り、12年の前回調査から7ポイント増加。「改正の必要はない」との意見は同7.1ポイント減の29.3%だった。

高まる旧姓へのニーズ

 背景には、結婚後も働き続ける女性の増加で旧姓のニーズが高まっていることや、性差に起因するジェンダー問題への関心の高まりなどが挙げられる。

 上智大の三浦まり教授は、「有権者と日々接する地方議員は市民のニーズをとらえ、国に先駆けた動きを起こしている。意見書は世論を可視化したもので、国会での議論が求められる」と指摘する。

 国会審議や法制化を求める動きは政令市や東京23区を中心に見られた。10~11年に法制化反対の声が上がったのは茨城県や鹿児島県など主に県議会だった。滋賀県議会は11年に「慎重な対応を求める」内容の意見書を可決し、20年には法制化を求める意見書を可決している。同県議のひとりは「社会状況の変化に応じた対応だ。10年前は、別姓に対する社会の理解が十分深まっていなかった」と説明する。

反対噴出でたびたび頓挫、今後の見通しは…

 選択的夫婦別姓制度は、1996年に法制審議会(法相の諮問機関)が導入を答申。これを受け、法務省は同年と2010年に民法改正案を準備したが、いずれも自民党などから「家族の一体感が損なわれる」との反対論が噴出し、国会への提出が見送られた。これを受ける形で前述の90議会のうち24議会が、法制化反対などを訴える意見書を可決していた。

 2020年末に、政府の第5次男女共同参画基本計画案に盛り込まれた選択的夫婦別姓に関する記述を巡り、自民党内から反対意見が続出。SNSでも話題となるなど、社会的な関心の高まりをうかがわせた。論点の多いテーマだからこそ、国会での幅広い議論が期待される。(生活部・板東玲子)

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1894943 0 政治 2021/03/08 16:38:00 2021/03/08 18:41:00 2021/03/08 18:41:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210305-OYT1I50058-T.jpg?type=thumbnail

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