【独自】首相、大型連休中にインド訪問へ…中国にらみ「日米豪印」の枠組み重視
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日印両政府は、菅首相が4月下旬からの大型連休中にインドを訪れ、モディ首相と会談する方向で調整に入った。インドでは新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、状況を見極めた上で判断する。会談では覇権主義的な動きを強める中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を確認する方針だ。

複数の政府関係者が明らかにした。日印両国は2020年に自衛隊とインド軍の燃料や食料の融通を可能とする物品役務相互提供協定(ACSA)に署名するなど、安全保障での結びつきを強めている。会談ではこうした協力をさらに進めることで一致する見通しだ。
日本は中国に対抗するため、日米豪印の「Quad」(クアッド)と呼ばれる枠組みを重視している。菅首相は豪州のモリソン首相と既に会談しているほか、今月中旬にバイデン米大統領とも会談する予定だ。さらにモディ首相との会談を実現することで、この枠組みの定着を目指す。
また、インド国内では新幹線方式を採用した高速鉄道の建設が始まっている。首都圏では円借款で地下鉄の建設も進んでおり、これらのインフラ整備での協力についても意見交換するとみられる。新型コロナのワクチンの途上国への供与を巡る協力についても取り上げる方向だ。
日印首相の対面での会談は2019年11月にバンコクで行って以来となる。
また、菅首相はインド訪問に合わせ、フィリピンを訪れ、ドゥテルテ大統領と会談することも検討している。