原発処理水で首相「避けて通れない課題、近日中に判断」
完了しました
東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質を含んだ「処理水」の処分を巡り、政府は13日にも関係閣僚会議を開き、海洋放出する方針を決める。

閣僚会議を前に、菅首相は7日、全国漁業協同組合連合会の岸宏会長と会談した。菅首相は会談後、記者団に「福島復興で、(処理水の)処分は避けて通れない課題だ。近日中に判断したい」と述べた。
会談には、梶山経済産業相や福島県など地域の漁協代表者も同席した。首相が処分に向けて協力を要請したのに対し、岸会長らは政府が検討している海洋放出に強い懸念を示したという。

岸会長は会談後、記者団に「(海洋放出には)絶対反対との考えはいささかも変わらない」と述べた一方で、処分する場合には国が安全確保や風評被害対策を講じるよう求めた。
漁業者の懸念に対し、首相は「風評被害を最小限にする努力は絶対に必要だ」と強調した。
福島第一原発の処理水は、原子炉建屋で汚染された高濃度の放射性物質を含んだ雨や地下水を特殊な装置で浄化したもので、現在の保管量は125万トン(タンク約1000基分)に上る。今後も増え続けると、来年秋にも敷地での保管が難しくなるとみられている。
海洋放出は、処理水を希釈して海へ排出する手法で、国内外の原発で広く行われている。