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「期待はずれ」の緊急事態宣言に「頭が痛い」…首相、悩んだ末の「折衷案」

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 政府は、新型コロナウイルス対策として発令した3度目の緊急事態宣言が「人流の抑制」に一定の効果を上げたとみている。それでも、感染力が強い変異ウイルスと、国民の間に広がる「コロナ疲れ」が響き、宣言延長に追い込まれた。手詰まり感を打開しようと、高齢者向けのワクチン接種に望みをつないでいる。

緊急事態宣言の延長などについて記者の質問に答える菅首相(6日午後、首相官邸で)=源幸正倫撮影
緊急事態宣言の延長などについて記者の質問に答える菅首相(6日午後、首相官邸で)=源幸正倫撮影

 「人出は明らかに減少傾向にあり、宣言の効果は出ています」。5日夕、首相公邸。菅首相は関係閣僚とともに、西村経済再生相の説明にじっと耳を傾けた。

 今回の宣言は発令期間が17日間にとどまる。対策の効果が出るのに2週間は必要とされ、「期間が短すぎる」(政府高官)ことは織り込み済みだった。その代わりに、幅広い業種への休業要請という思い切った措置を取り、行楽や帰省などによる大型連休中の人出を抑えることを狙った。

 しかし、期待したほど感染者数は減らなかった。延長すべきかどうか、政府内の意見は分かれた。5日の関係閣僚による協議では、西村氏が延長を訴えた。「まだまだやれることがある」とみる西村氏は、より強力な対策も辞さない腹づもりだった。これに対し、複数の閣僚が「このまま宣言を続けたら事業者は厳しい。悲鳴を上げている」と口々に反論し、方針決定は持ち越しとなった。

 首相が悩んだ末に出した結論は、これまでの対策を一部緩和する一方で、宣言を延長するという「折衷案」だった。

 宣言を延長して、どれほど感染者数を減らせるか確証はない。対策を一部緩めたことで人の流れが増え、かえって感染者数が増える「リバウンド」のおそれすらある。「頭が痛いところだ」。首相は苦しい胸のうちを周囲に吐露した。

 政府が局面打開の決め手と期待するのが、連休明けの10日から全国で本格化するワクチン接種だ。政府関係者は「高齢者に打ち終われば、重症者・死亡者がぐっと減って景色が変わる」と力説する。

 首相も高齢者への接種を7月末までに終えると表明し、「背水の陣」を敷いた。関係者によると、自治体首長らに直接連絡を取り、接種計画の前倒しを求めているという。

 全国1741市区町村のうち、7月末までに接種を完了する見込みの自治体は先月28日時点で約6割にとどまる。「もっと自治体同士で早期接種を競わせる状況にしないといけない」。首相に近い自民党議員は、そう表情を引き締める。

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2033719 0 政治 2021/05/07 05:00:00 2021/05/07 07:39:26 2021/05/07 07:39:26 緊急事態宣言の延長などについて記者の質問に答える菅首相(6日午後7時1分、首相官邸で)=源幸正倫撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210507-OYT1I50000-T.jpg?type=thumbnail

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