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福田メモ「黄門様」の実像 日中正常化、「大福密約」…「評伝福田赳夫」25日刊行

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 「評伝 福田赳夫 戦後日本の繁栄と安定を求めて」(五百旗頭真監修)が25日、岩波書店から刊行される。福田赳夫元首相が生前に記録した100冊以上の「福田メモ」=写真、福田康夫氏提供=を初めて全面的に活用し、実像に迫った一冊だ。

 同書は、福田氏の最大の強みを「経済・財政政策の運営能力」と評価。池田勇人首相の掲げた「国民所得倍増」について、元々は自民党内で福田氏を中心に構想されたと指摘した。「均衡のとれた成長」を重視し、「経済成長の過程で生じやすい格差や不平等」を警戒したと分析している。

 外交では、タカ派とみられていた福田氏が実は水面下で日中国交正常化を推進したことなどを詳述した。

 メモには、福田氏が関わった政局に関する記述も少なくない。佐藤栄作首相が1970年9月、自らの派閥を統制できるかどうかなどを挙げ、福田氏に「後は君以外にないよ、と考えて居たが、情報より総合すると 一、二心配になる点がある」と告げていたとある。佐藤氏は福田氏への禅譲を検討したが、断念に追い込まれた。

 76年、三木武夫首相の後継を福田氏とする代わりに2年後には大平正芳氏に政権を譲るとされた「大福密約」が取りざたされた。同書は、福田メモを含めて「信頼できる一次史料からは確認できない」と否定した。

  ◆福田赳夫元首相= 1905年(明治38年)、群馬県生まれ。大蔵省を経て、52年衆院選で群馬3区(当時)から初当選。自民党幹事長や蔵相などを経験し、76年に首相就任。在任中には「福田ドクトリン」を表明し、東南アジアの安定的発展への協力などを打ち出した。退任後は自ら「昭和の黄門」と称し、党内派閥「清和会」を率いた。95年死去。長男康夫氏も2007年に憲政史上初めて親子2代の首相に就任した。

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2147713 1 政治 2021/06/23 05:00:00 2021/06/23 05:00:00 2021/06/23 05:00:00 「福田メモ」の表紙(福田康夫氏提供)=村尾新一撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210623-OYT1I50006-T.jpg?type=thumbnail

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