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【独自】教員免許更新制、廃止へ…「教育再生」掲げたが負担に比べ効果薄く

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 政府は、幼稚園や小中高校などの教員免許を10年ごとに更新する教員免許更新制を廃止する方針を固めた。更新制は教員にとって手間がかかる割に、資質向上の効果が低いと判断した。免許を無期限とする代わりに、教育委員会による研修を充実・強化させる。文部科学省が8月中に中央教育審議会(文科相の諮問機関)に方針を示し、来年の通常国会に関連法改正案を提出する考えだ。

 更新制は、「教育再生」を掲げた第1次安倍内閣時代の2007年の法改正で導入が決まり、09年度から実施された。目的は不適格な教員の排除ではなく、最新の知識・技能の習得だ。文科省の調査によると、昨年3月末が期限だった現職教員のうち、特例による期間延長も含めて免許更新したのは99・43%だった。

 10年の有効期間満了が近づくと、教員は全国の大学などで開かれる更新講座から受講先を選び、申し込む。教育政策の動向や教科指導に関する30時間以上の講習を修了し、教委に申請すれば免許更新が完了する。

 しかし、学校現場からは講習に「実践的ではない」「教委の研修と内容が重複している」などの不満が出ていた。受講時間確保が難しいとの声や、数万円の受講料負担への不満も多い。

 こうした負担感が、教員不足に拍車をかけるとの懸念も出ている。文科省が4~5月、現職教員約2100人を対象に行ったアンケートでは、50代での受講について、36・8%が「早期退職のきっかけとなると思う」と回答した。

 講座の有効性について、文科省内でも、10年に1回では時代の変化に対応できないとの懸念がある。このため、萩生田文科相が3月、更新制の「抜本的な見直し」を含めた教員養成のあり方を中教審に諮問し、制度の再検討を進めていた。

 文科省は、頻繁に実施できる各教委の研修を充実させ、教員の質向上を図る方針だ。情報通信技術を活用して教員の研修履歴を記録・管理し、個人の特性に応じた内容とすることを検討している。場所や時間を問わずに受講できるオンライン研修も拡充する。研修の具体的な内容については中教審で議論する予定だ。

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2197250 0 政治 2021/07/11 05:00:00 2021/07/11 05:01:22 2021/07/11 05:01:22 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210710-OYT1I50134-T.jpg?type=thumbnail

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