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人生のどん底から救ってくれたパラリンピック…横沢高徳・参院議員[語る]東京五輪・パラ

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 パラリンピックは自分を人生のどん底から救ってくれました。オートバイ競技モトクロスの選手だった25歳の時、練習中の事故で下半身不随になりました。車イス生活となり、生きる目的を見失っていた頃、テレビで見た長野パラリンピック(1998年)の映像にくぎ付けになりました。障害を持つ選手がチェアスキーで活躍する姿や、競技後に満面の笑みを浮かべている表情を見て、いずれ自分も出場したいと考えるようになりました。

 2019年参院選岩手選挙区に無所属で出馬し、初当選。参院本会議では当選後、参院職員を通じて代理投票していたが、3月に演壇に通じるスロープを初めて使い、自ら投票した。現在は立憲民主党所属。49歳。
 2019年参院選岩手選挙区に無所属で出馬し、初当選。参院本会議では当選後、参院職員を通じて代理投票していたが、3月に演壇に通じるスロープを初めて使い、自ら投票した。現在は立憲民主党所属。49歳。

 岩手県八幡平市のスキー場で初めて滑った体験は今でも忘れられません。山頂から見た真っ白な雪景色に圧倒され、とめどなく涙がこみ上げてきたことを覚えています。

 競技の開始当初は、バイク競技の経験があるので、すぐにパラリンピックに出場できるようになるだろうとたかをくくっていました。しかし、やがて甘い世界ではないことに気付きました。練習を始めて10年ほど過ぎた頃から、思うような滑りが出来るようになり、2010年のバンクーバー大会に出場できました。パラスポーツに出合ったことで、人生に挑戦する勇気を見付けることができました。支えてくれた人たちにも恩返しができて感謝しています。

バンクーバーパラリンピックに出場した横沢氏の滑り(2010年3月撮影)
バンクーバーパラリンピックに出場した横沢氏の滑り(2010年3月撮影)

 障害者スポーツは、残された肉体の可能性をいかに最大限引き出すことができるかが 醍醐だいご 味です。私は脊髄の中でも胸椎を損傷しているので、腹筋と背筋を使ってバランスを取ることができません。一方で腰椎だけを損傷している選手は腹筋と背筋を使うことができます。障害者がそれぞれの動かせない部位を道具でカバーし、いかに良いパフォーマンスを発揮できるかがカギを握っていると考えます。

 今大会を機に、バリアフリーの観点では、前進もありました。都内の駅には、車イス収容のエレベーターが増設され、新幹線の新型車両では車イス用のスペースが拡大されました。ただ、都市部と地方のバリアフリーには格差があります。

 2年前に国会議員になり、障害者アスリートの環境整備に努めました。日本財団がパラ競技団体の支援を目的に設立した「パラリンピックサポートセンター」は来年3月に閉鎖予定でした。しかし、国会での質疑や、超党派の障がい者スポーツ・パラリンピック推進議員連盟の活動を通し、継続を訴えました。結果的に継続が決まりましたが、競技団体の支援にはセンターの存在は不可欠です。常設に向けて国に支援を求めていきたいです。

 障害者スポーツを取り巻く環境はまだ十分とは言えません。健常者スポーツには、学校での部活動や地域のクラブチームがありますが、障害者スポーツにはほとんどない状況です。私はパラ競技経験者として、学校や地域で障害がある人も一緒にスポーツに取り組める環境をもっと整備していこうと考えています。

 海外に目を向けると、アジアやアフリカなどの発展途上国では障害者スポーツの環境に恵まれていない国が多くあります。障害者スポーツの用具が高価でそろえられないためで、日本がこうした国に用具を提供するなど、パラスポーツの普及のために国際貢献を行うべきです。

 コロナ禍の大会ですが、普段の練習の成果が報われるよう、ぜひいいパフォーマンスを発揮してほしいです。個人的には、パラリンピック陸上競技の村岡桃佳選手に注目しています。18年 平昌ピョンチャン 大会女子アルペンスキー金メダリストで、冬と夏の二刀流の挑戦に熱い声援を送りたいと思います。

(聞き手 田村直広)

政界にもメダリスト

 五輪出場後、政界に転身した元オリンピック選手は多い。

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会長で参院議員の橋本聖子・前五輪相(無所属)は、1992年アルベールビル五輪スピードスケートの銅メダリスト。橋本氏は同五輪を含めて冬季4回、夏季も自転車競技で3回の出場経験がある。

 堀井学衆院議員(自民党)は94年リレハンメル五輪スピードスケートで銅メダルを獲得した。麻生副総理兼財務相(同)は76年モントリオール五輪クレー射撃出場の経歴を持つ。馳浩・元文部科学相(同)は84年ロサンゼルス五輪のレスリング、朝日健太郎参院議員(同)は2008年北京、12年ロンドン両五輪のビーチバレーボールにそれぞれ出場した。

 元国会議員では、00年シドニー、04年アテネ両五輪の柔道で金メダルを獲得した谷亮子・元参院議員や、アルベールビル、リレハンメル両五輪のノルディックスキー複合団体金メダリストの荻原健司・元参院議員らがいる。

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2249608 0 政治 2021/07/31 05:00:00 2021/07/31 05:00:00 2021/07/31 05:00:00 「語る」・インタビューに応じる参院議員の横沢高徳氏(24日午後4時15分、参院議員会館で)=小林武仁撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210730-OYT1I50211-T.jpg?type=thumbnail

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