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総花的な骨太の方針、いまや「小骨の方針」に…小峰隆夫・大正大教授[語る]霞が関

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 2001年の省庁再編は、首相官邸機能の強化が狙いだった。総理府、経済企画庁などが統合して、内閣の重要政策を助ける「内閣府」には、経済・財政政策の司令塔となる「経済財政諮問会議」が新設された。

1969年、経済企画庁入庁。経済企画庁調査局長、法政大教授などを経て、2017年4月から現職。著書に「平成の経済」(20年読売・吉野作造賞)など。専門は日本経済論。埼玉県生まれ。74歳。
1969年、経済企画庁入庁。経済企画庁調査局長、法政大教授などを経て、2017年4月から現職。著書に「平成の経済」(20年読売・吉野作造賞)など。専門は日本経済論。埼玉県生まれ。74歳。

 諮問会議が本格稼働したのは、01年4月に発足した小泉政権からだ。メンバーは首相や閣僚が入り、政権の意思が反映されやすい。竹中平蔵経済財政相(当時)が諮問会議の仕切り役となり、自民党は従属的な立場に追いやられた。

 4人の民間議員からかなり踏み込んだ提言が出され、議論が紛糾すると、最後には、小泉首相(当時)が引き取り、大胆な改革に踏み込んだ。

 諮問会議では、毎年6月頃に、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を策定するようにしたことも大きな特徴だ。

 小泉氏はなるべく自らの考えを骨太の方針に盛り込み、それに沿って、年末の予算編成に反映させるようにした。諮問会議に、予算の骨格的な議論を委ねることにしたのだ。これまで、予算編成には族議員の影響力が強かったが、骨太の方針が出来たことで、何が予算に盛り込まれるか分かりやすくなり、プロセスが透明化した。

 一方、小泉政権後は、諮問会議はあまり目立った役割を果たしていない。

 首相のはっきりとした方針があり、省庁や自民党など反対勢力や既得権益を排除しようとする時には、諮問会議は大きな力を発揮する。

 安倍前首相は経済政策「アベノミクス」を打ち出したが、自民党側も賛同し、諮問会議の出番はあまりなかった。菅首相も周りを抑え込んで主導する大きな方針を掲げていない。このため、骨太の方針も、各省庁が予算獲得のため、できるだけ多くの政策を盛り込もうとするため、総花的になってしまっている。これでは「小骨の方針」だ。

 一方、諮問会議では、首相や閣僚がメンバーのため、異論が出にくく、政権に対して歯止めをかけるような議論がしづらい側面がある。省庁再編前に、経済政策のかじ取り役だった経済企画庁には、諮問会議の前身となった経済審議会があった。首相の諮問機関で、学者や経営者、労働界、消費者代表などから構成し、経済運営の基本方針について多様な意見が述べられた。

 どこかに経済審議会のような機能が残っていれば、金融緩和一本やりで、財政再建が後回しとなったアベノミクスの政策運営に異論が出た可能性もある。

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2270019 0 政治 2021/08/08 05:00:00 2021/08/08 05:00:00 2021/08/08 05:00:00 内閣府発足の経緯などについて語る、元経済企画庁審議官の小峰隆夫・大正大教授。東京都北区で。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210807-OYT1I50268-T.jpg?type=thumbnail

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