岸田首相、安倍・菅両内閣の教訓生かし先手対応…「批判は私が全て負う覚悟だ」

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コロナ新変異株

 政府が、全世界からの外国人の新規入国の原則停止を公表したことには、危機管理対応で先手を打つ狙いがある。安倍、菅両内閣が水際対策の甘さから批判を招いたことも教訓とした。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」は感染力など不明な点が多いが、岸田首相は「最悪の事態」を想定した措置を決断した。

 「まだ状況が分からないのに、『岸田は慎重すぎる』という批判は、私が全て負う覚悟だ」

 首相は29日、首相官邸で水際対策の強化を発表すると、こう強調した。

 政府は、南アフリカなどで25日に新たな変異株が検出されたとの発表を受け、翌26日には、6か国からの帰国者らに10日間の指定施設での待機を求める措置を発表した。世界保健機関(WHO)が「懸念される変異株(VOC)」に指定する前だったが、世界的な株価の下落から「早急な対応が必要だ」(首相周辺)と判断した。

 国内での新型コロナの感染者数は減少しており、政府は経済界からの要望を受け、今月8日から、ビジネスでの短期滞在者や留学生、技能実習生らを対象とし、活動計画書の提出などを条件に外国人の新規入国を解禁したばかりだった。

 首相が即座に新規入国停止に踏み切ったのは、安倍・菅両内閣の反省を生かすためでもある。新型コロナが感染拡大した当初、米国が中国全土からの入国を拒否したのに対し、安倍内閣は湖北省だけに対象を絞った結果、「後手に回った」と批判された。菅内閣は変異株の流行にもかかわらず、中国など11か国・地域とのビジネス関係者の往来をすぐに停止せず、支持率低迷を招いた。

 菅内閣の対応を批判してきた自民党の佐藤正久外交部会長は29日、記者団に「これまでと比べると、岸田内閣は早め早めに対応している」と評価した。

 首相は今後も、機動的な対応を心がける構えだ。もっとも、厳格な措置が続けば、正常化に向けて動き出した経済活動にも影響を与える可能性がある。年末年始に向け、水際対策を緩和し、外国人観光客の受け入れに向けた準備を進める戦略も描いていたが、練り直しを迫られそうだ。

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