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18歳以下への10万円相当の給付を巡り、政府が全額現金での給付を基本的に容認する姿勢に転じたのは、負担増となる自治体の不満に抗しきれなくなったためだ。今後も全額現金での支給を求める自治体が相次いだ場合には、クーポン給付の原則自体が崩れる可能性も出ている。

岸田首相は10日の参院代表質問で、「クーポンを原則としながらも現金での対応も可能とする」とした上で、「制度設計については自治体の意見を伺いながら柔軟に対応していきたい」と述べ、自治体の意向に寄り添う考えを強調した。山際経済再生相も10日の記者会見で「(クーポンでの給付を)自治体に無理強いすることではない」と語った。
政府は全額を現金で給付した場合には貯蓄に回る可能性があるとして、子育て関連に使途を限定したクーポンでの給付を重視してきた。クーポンであれば、すべてを消費に回せるという利点があるためだ。しかし、クーポンの場合、対象店の選定や印刷会社への発注など準備に時間がかかり、自治体の負担は重くなる。
和歌山市の尾花正啓市長は10日、記者団に対し、全額現金給付を目指す方針を明らかにした。尾花氏は「クーポンでは印刷や発送に時間がかかり、(政府が配布時期とする)来年3月末までに絶対に間に合わない」とし、「地域の自主的な判断に任せてほしい」と述べた。