「韓国が再び国際社会で一方的主張」と外務省懸念…佐渡金山巡り保守系議員と溝

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 文化庁の文化審議会が世界文化遺産の国内推薦候補に選んだ「 佐渡島さど の金山」を巡り、推薦を求める自民党の保守系議員らと、韓国の反発を懸念して慎重姿勢をとる外務省で対立が生じている。推薦は2月1日までに行う必要があり、調整は難航しそうだ。

佐渡島の金山
佐渡島の金山

 自民党の保守系議員でつくる「保守団結の会」は18日、国会内で会合を開き、政府に早期推薦などを求める決議をまとめた。会合には、新潟県佐渡市長や県幹部らが出席し、「世界遺産としての価値は十分証明されている」(稲荷善之・県教育長)と訴えた。

 文化審議会は昨年12月、佐渡島の金山を国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産に推薦する国内候補に選んだが、文化庁は「推薦の決定ではなく、今後政府内で総合的な検討を行う」と注釈を付けた。

 異例の対応の背景には、韓国政府が佐渡島の金山について、「韓国人の強制労働の被害現場だ」と主張し、日本政府に推薦を見送るよう水面下で働きかけていたことがある。実際、韓国外交省報道官は国内候補への決定を受け、「直ちに撤回を促す」との談話を発表し、激しく反発した。

 これに対し、推薦を求める新潟県は「朝鮮半島出身者が働いていた事実はあるが、強制労働だったかどうかは資料や記録がなく、把握していない」との立場だ。関係者によると、「保守団結の会」の顧問を務める安倍元首相も18日の会合で、「(韓国側に)ファクトベース(事実に基づいて)で反論するべきだ」と発言した。

 一方、外務省が世界遺産への推薦に慎重なのは、韓国や中国が仕掛ける「歴史戦」にこの問題が利用されるとの危機感があるためだ。

 2015年に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」を巡っては、韓国側が構成資産の 端島はしま 炭坑(通称・軍艦島)について、強制労働を明示するよう日本側に要求した。日本は端島炭坑で働いた朝鮮半島出身の労働者について、国際法上の強制労働には当たらないと主張しており、韓国側と立場の隔たりは埋まっていない。

 外務省幹部は「佐渡島の金山を推薦すれば、再び韓国が国際社会で一方的な主張を展開しかねない」と指摘する。林外相は18日の記者会見で、「登録を実現するうえで何が最も効果的かという観点から、総合的な検討を行っている」と述べ、推薦の可否については言及を避けた。

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