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総務省は28日、住民基本台帳に基づく2021年の人口移動報告を発表した。東京都の「転入超過」は前年から8割減の5433人となり、過去最少を記録した。東京23区に限ると、初めて「転出超過」となった。新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークが増えたことなどが影響したとみられる。

東京都では昨年1年間で42万167人が転入し、41万4734人が転出した。転出者数は、日本で住民登録をしている外国人を含めて記録を取り始めた14年以降、過去最多だ。月別で見ると、入学や就職で例年転居が増える3、4月以外は転出が転入を上回った。東京23区は1万4828人、転出が転入を上回った。

3大都市圏別では、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は、転入超過が8万1699人で、前年より1万7544人縮小した。ただ、東京都から近隣県への転出が増えており、東京都以外の3県はいずれも転入超過数が拡大した。
名古屋圏(愛知、岐阜、三重)と大阪圏(大阪、兵庫、京都、奈良)は、いずれも転出超過の傾向が続いており、名古屋圏が1万914人、大阪圏が4912人だった。名古屋圏の転出超過数が前年より6473人縮小した一方、大阪圏は前年から4794人拡大した。
都道府県別では、転入が転出を上回ったのは、数が多い順に、神奈川、埼玉、千葉、福岡、大阪、東京、茨城、滋賀、山梨、群馬の10都府県。このうち、茨城、山梨、群馬は初めて転入超過となった。
転出が転入を超えた37道府県では、広島が7159人で最も多く、福島の6116人、長崎の5899人と続いた。
市区町村別で見ると、全国1719自治体(東京特別区は1とする)中、転入超過となったのは529自治体(30・8%)だった。最も多かったのは、さいたま市の1万527人で、横浜市の1万123人、札幌市9711人と続いた。
年齢区分別の転入超過数では0~14歳がさいたま市、15~64歳が東京23区、65歳以上が札幌市がそれぞれ最も多かった。
金子総務相は28日の記者会見で、「新型コロナの影響で東京圏への集中緩和の動きがある。都市部から地方への人の流れをより一層強化したい」と語った。