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政府が今国会に提出する経済安全保障推進法案(仮称)の全容が9日、わかった。半導体などのサプライチェーン(供給網)確保と基幹インフラ(社会基盤)設備の事前審査、先端技術開発、特許非公開の4本柱で構成し、最大で「懲役2年以下」の罰則を盛り込む。供給網確保に関する企業の罰則対象は、経済界に配慮して大幅に絞り込んだ。

複数の政府・与党関係者が明らかにした。法案は7章からなる。1章の総則で、安全保障の確保に「経済活動に関する国家や国民の安全を害する行為を未然に防止する重要性が増大している」と指摘。2章から5章はそれぞれ、供給網確保など4本柱の具体策を記している。
供給網確保では、企業に、半導体や医薬品などの特定重要物資に関する供給計画の作成を求める。政府が有効と認定すれば、助成金などを通じ支援する。特定重要物資は政令で定める。
事前審査制度は、電気、鉄道、金融などの14分野を対象としている。事業者は、鉄道の運行管理システムといった重要設備の導入に際し、機器名や時期を記した計画書を政府に提出。政府は、
先端技術開発に関しては、官民による協議会を設け、AI(人工知能)や量子などの開発に基金を通じ資金援助する。特許非公開の対象は原子力や武器開発を念頭に置く。政府が保全が必要だと判断すれば、出願技術を非公開とする。
実効性を担保する罰則は、特定重要設備の導入に関して虚偽の届け出を行ったり、非公開指定された特許を開示したりした場合、2年以下の懲役か100万円以下の罰金とする。官民協議会で得た情報を漏えいした場合は1年以下の懲役か50万円以下の罰金となる。
供給網確保に関する企業の罰則対象は、供給計画を政府に提出し、認定された企業に限り、虚偽報告などがあった場合に30万円以下の罰金とする。「経済活動を
法案の施行は3段階に分け、供給網確保と先端技術開発は公布後9か月以内に施行する。2023年度中に社会基盤の事前審査制度、24年度中に特許非公開を実施する見通しだ。