「すごく効率が悪そうだ」…街頭演説きっかけに有権者と議員つなぐサイト開設

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伊藤和真さん 起業家

 政治に関心を持っても、どうせ世の中は変わらない――。そんな諦めムードの打破を目指しているのが、この春大学を卒業したばかりの若手起業家、伊藤和真さん(23)だ。国会議員の掲げる政策に対し、有権者が直接意見できるサイト「PoliPoli(ポリポリ)」を開設し、政治を身近に感じられる環境作りに取り組んでいる。(政治部 中山潤)

漁で使った縄がジャケットに変身…「地域アピールの機会にも」
須藤菜々子撮影
須藤菜々子撮影
    いとう・かずま  1998年生まれ。愛知県出身。慶大在学中に株式会社「PoliPoli」を設立したほか、スマートフォンから俳句を投稿できるアプリ「俳句てふてふ」を開発した。

投稿した政策にユーザーが要望…のべ15万人利用

 「就活で、家庭か仕事かを選ばないといけないと感じている人がとても多い」

意見交換会に臨む伊藤和真さん(14日、東京都千代田区で)=須藤菜々子撮影
意見交換会に臨む伊藤和真さん(14日、東京都千代田区で)=須藤菜々子撮影

 PoliPoliユーザーの女子大生が発言すると、出席した国会議員は熱心に聞き入った。3月14日夕、東京・永田町の衆議院第2議員会館。普段は議員とユーザーがイン

ターネットを通じて意見を交わすが、この日は女性政策をテーマに対面で行った。参加した学生ら7人が約1時間、議員に率直な思いをぶつけた。伊藤さんは終了後、「今後も続けていきたい」と語った。

 2018年、PoliPoliを友人と一緒に創設した。国会議員が、自らの推進する政策をサイトに投稿し、ユーザーがコメント欄で、その政策に対して、要望したり、賛意を伝えたりする仕組みだ。議員が政策の 進捗(しんちょく) 状況を投稿し、ユーザーが確認することも可能だ。投稿の字数を抑えるなど、若者が気軽に使えるように工夫し、のべ15万人が利用するサイトに成長した。

 永田町では口コミで評判が広がった。自民、立憲民主、日本維新の会、国民民主各党などの約30人が、「コロナ対策」「子育て支援」「花粉症対策」など、身近なテーマを中心に投稿を重ねた。自民の加藤勝信・前官房長官や国民の玉木雄一郎代表も参加する。昨年8月には、首相公邸で菅義偉首相(当時)と面会し、活動内容を説明した。

 どの政党の議員でも利用でき、議員側が支払う利用料で運営する。掲載する政策は、議員側の承諾なしに変更しないことで、政治的に中立の立場を取っている。政治を扱うことが敬遠され、資金集めには苦労も伴った。それでも、旅先のヒッチハイクで乗せてくれた弁護士が、投資家を紹介してくれるという幸運にも恵まれた。

政策本位で政治家を評価する仕組み「一生かけて取り組んでもいい」

須藤菜々子撮影
須藤菜々子撮影

 家族や親族に議員経験者はいない。政治への関心も「全然なかった」という。転機は2017年衆院選で、たまたま候補者の街頭演説を聞いたことだった。多くの人が無関心で通り過ぎる中、声をからして訴える姿に、「すごく効率が悪そうだ」と感じて声をかけた。すると、候補者からは「街頭演説をしないと興味を持ってもらえないのでは」という答えが返ってきた。

 政治家も、国民の本音を知りたがっているのに、なぜインターネットでつながらないのか。そんな問題意識から、プログラミングの知識を基にPoliPoliの開発に着手した。「数年単位で取り組んでいいテーマだ」と考え、会社を設立した。ベンチャーキャピタル(VC、起業投資会社)でのインターン経験があり、起業自体に迷いはなかった。

 順調に見えるPoliPoliの運営だが、壁にぶつかった経験もある。開設当初は、町づくりのアイデアを有権者であるユーザーが投稿し、PoliPoliに賛同する地方議員を巻き込んで、政策実現に動き出す「ボトムアップ型」を掲げた。ユーザーは10~30代を中心に、数か月で約2万人に上った。

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2871944 0 政治 2022/03/28 15:00:00 2022/03/28 15:00:00 2022/03/28 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/03/20220325-OYT1I50115-T.jpg?type=thumbnail

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