ラグビーの聖地・花園で初ナイター~日本代表対世界選抜で新装のこけら落とし

美しいピッチと盛り上がるスタンドを、明るい夜間照明が照らす。大型ビジョンが、一流ラガーメンたちのプレーを映し出す。26日午後7時、日本ラグビーの聖地に、新たな歴史が刻まれた。1年後のワールドカップ(W杯)日本大会を見据えた国際テストマッチ(強化試合)日本代表-世界選抜の開始ホイッスルが、大阪府東大阪市の花園ラグビー場に鳴り響いた。約90年もの歴史を誇るスタジアムで、初めてのナイター開催だ。(読売新聞メディア局編集部)

花園ラグビー場に新設された照明と大型ビジョン

日本代表に沸く声援

キックオフ10分前。南側ゴール裏席の背後に設置された真新しい大型ビジョンに、日本の先発メンバーの写真が次々と映し出され、選手の名前が読み上げられた。「ナンバー10、田村優」。拍手と歓声が響き、聖地のムードは高まった。

田村選手のほか、日本にはリーチマイケル選手ら前回W杯で強豪の南アフリカを撃破した試合に出場した選手が複数、名を連ねた。世界選抜もニュージーランド代表で活躍したマア・ノヌー選手らが集まり、聖地の門出にふさわしい豪華な顔合わせ。試合は、開始直後の日本の攻勢をしのいだ世界選抜が、14分過ぎまでに2トライを奪ってリード。日本も20分過ぎに福岡堅樹がトライを返した。

前半、日本代表の福岡堅樹(手前)がトライを決める=川崎公太撮影

後半、日本は3トライを奪うなど攻勢を見せ、あとワントライまで世界選抜を追い詰めたが、28-31で惜しくも敗れた。

元高校ラガーメンの森貴宏さん(43)(愛媛県松山市)は、地元から親戚4人でスタンドに足を運んだ。「花園に来たのは、全国大会の出場選手だった高校3年の時以来。2回戦で負け、正月まで勝ち残れずに泣いたのを思い出す」と、しみじみ。「聖地らしく、きれいで観戦しやすいスタジアムになって、一ファンとしてうれしい。こういう会場があれば、W杯に向けて、また僕らの高校時代みたいにラグビーが盛り上がってくれるのでは」とも期待を寄せた。

ミュージアム内の展示

開始前、スタジアム玄関前にある競技の歴史を紹介するミュージアムでは、ラグビーのプレーを映像体験するVR体験がファンを楽しませた。奈良市の主婦、柏木知以子さん(55)は「こんなに大きくて速い選手たちと、本当にぶつかったら……。これから見る試合が楽しみになりました」と声を弾ませた。

待望のW杯改修

全国高校ラグビー大会の会場として知られる花園は、1929年にオープンした日本最古のラグビー専用競技場だ。来年のラグビーW杯で使用される12会場の一つにも選ばれた。W杯会場としての規格を満たすため、今年9月まで約2年8か月間、72億6000万円を投じた大規模改修が実施され、この日の日本代表-世界選抜が「こけら落とし」の一戦となった。

最大の改修ポイントが、LED(発光ダイオード)を駆使した710インチの大型ビジョンと、W杯規格を満たす明るさ2000ルクスの照明だ。他競技のスタジアムでは当たり前に行われているリプレー画像の再生とナイター開催の実現を、ラグビーファンは長らく待ち望んできた。

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