入場検査で試合間に合わず「来年W杯大丈夫か」

入場ゲートの検査を待つ観客で長蛇の列ができた(10月27日、日産スタジアムで)

横浜市が決勝など7試合の舞台となる2019年ラグビー・ワールドカップ(W杯)まで1年を切った。会場となる横浜市港北区の横浜国際総合競技場(日産スタジアム)で先月行われたニュージーランドと豪州の代表による対抗戦「ブレディスローカップ」では、入場時の検査に手間取って入場が遅れるなどの課題が浮かび、W杯組織委員会などは警備態勢のあり方を模索している。

「このままでは試合開始に間に合わない」「こんなに混乱して、来年は大丈夫なのか」――。先月27日の「ブレディスローカップ」の複数の入場ゲートでは、遅々として進まない検査に観客からの不満が相次いだ。

主催した日本ラグビーフットボール協会は、この大会をW杯のテスト大会と位置づけ、金属探知機による身体検査と手荷物の中を調べる検査で不審者や不審物を厳重に警戒した。ゲート前には長蛇の列ができ、警備員は観客が比較的少ない別のゲートへの移動を呼び掛けたが、場所の説明や誘導の表示はほとんどないため混乱した。英語での説明もないため、豪州の男性(32)は「どのゲートに並べばよいのか分からない」と困惑した。

一部のゲートでは、試合直前に金属探知機による検査を取りやめた。それでも、試合開始に間に合わない観客も出て、会社員の男性(42)は、ニュージーランド代表が試合前に披露する先住民の伝統的な踊り「ハカ」を見ることができなかった。「誘導が遅すぎる」と残念がった。

日本ラグビーフットボール協会の担当者は、「想定よりも検査に手間取ったり、観客の来場が一定の時間帯に集中したりした可能性がある」と説明する。

この日の来場者は約4万6000人。W杯では試合あたり約7万人の観戦が見込まれ、W杯組織委員会はさらなる混雑を想定する。試合を見守った委員は「早めの来場を呼び掛けるなどの対策が必要。ラグビー以外のイベント時の対応など、情報を集める必要がある」と話した。組織委は、W杯でより警備を強化すれば混乱が深刻になるとし、対策の検討を急いでいる。(鬼頭朋子、谷口剣太、小野寺経太)

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