アジア最古のラグビーチーム記念碑、横浜に

ラグビーワールドカップ(W杯)開幕を来年9月に控え、1866年にアジア最古のラグビーチーム「横浜フットボールクラブ」が横浜に設立されたことを示す記念碑が来夏、横浜中華街(横浜市中区)の山下町公園に設置される。当時のメンバーは外国人居留地にいた英国人ら。今も横浜で活動する後継クラブの会員と、神奈川県ラグビーフットボール協会が計画中だ。

英国の雑誌「ザ・グラフィック」に掲載された挿絵。「横浜で行われたフットボールの試合」という題がついていた

ラグビーは英国発祥のスポーツ。同協会などによると、1823年に英国の名門私立「ラグビー校」でフットボールの試合中、生徒がボールを抱えて走ったことが起源といわれる。日本人では、1899年に慶応義塾の学生が国内で初めてプレーしたとされ、慶大ラグビー場(同市港北区)には記念碑が建てられている。

計画の発案者の一人が、「横浜フットボールクラブ」の後継「横浜カントリー・アンド・アスレティック・クラブ」(同市中区)ラグビーチーム元主将のマイク・ガルブレイスさん(71)。約10年前、居留地で発行されていた英字紙「ジャパン・タイムズ」に「横浜フットボールクラブ」設立の記事を横浜開港資料館で見つけた。日付は「1866年1月26日」。当時、横浜は外国人排斥の運動が活発で、英国は軍隊を駐留させたが、名門私立出身者が多く、ガルブレイスさんは「ラグビー経験者が大勢いて、クラブ発足に寄与したのでは」と推測する。

記念碑設置に向けて調査を続けてきたガルブレイスさん(右)と長井さん(16日、横浜中華街の山下町公園で)

その後、1874年に発行された英国の雑誌「ザ・グラフィック」に、横浜で行われたラグビーの試合の絵が掲載されていたことも判明し、ワールド・ラグビー博物館(英国)が2015年、「アジアで最古のラグビークラブ」と認定した。また、当時の文献から、山下町公園付近に「横浜フットボールクラブ」の活動拠点があったことも分かった。

「市民の多くが歴史を知らずにW杯を迎えるのは残念」。ガルブレイスさんは同協会イベント部会長の長井勉さん(70)に相談。このたび、同協会が提案した記念碑設置の話が決まった。

同協会は来年1月、委員会を発足させて市民に寄付を募り、8月末の完成を目指す。横浜市港北区の日産スタジアムではW杯で7試合が行われる。長井さんは「W杯を機に、横浜とラグビーの深いつながりを知ってほしい」と話している。

「外国人居留地」 江戸幕府が1858年にアメリカ、イギリスなど5か国と締結した修好通商条約に基づき、外国人の居住と商業活動が認められた地区。59年開港の横浜では、現在の横浜市中区の山下町と山手町付近の約133ヘクタールに設けられた。

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