「にわか」でいいじゃん コピーライター 糸井重里さん…ラグビーW杯 あと164日

コピーライターの糸井重里さん(70)は、「にわかラグビーファン」を名乗る。独特の感性でラグビーの魅力を切り取り、ワールドカップ(W杯)日本大会の盛り上がりを期待している。「なるほど! ラグビー」では今回から、日本ラグビー協会所属の久保修平レフェリー(37)が、審判目線での競技の特徴や見所を語る。

面白さ もっと伝え合おう

 いとい・しげさと 1948年11月生まれ。群馬県出身。71年にコピーライターとしてデビューし、「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの大ヒットを生み出す。多彩な活動を続け、98年からウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を主宰。五郎丸歩(ヤマハ発動機)との対談など、ラグビーに関する記事を掲載している。(写真は奥西義和撮影)
いとい・しげさと 1948年11月生まれ。群馬県出身。71年にコピーライターとしてデビューし、「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの大ヒットを生み出す。多彩な活動を続け、98年からウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を主宰。五郎丸歩(ヤマハ発動機)との対談など、ラグビーに関する記事を掲載している。(写真は奥西義和撮影)

――ラグビーに関心を持ったきっかけは。

「運が良かった。たまたま(2015年W杯の)日本対南アフリカ戦を見た。(未明で)途中で寝ようと思っていたくらいだったが、点数が拮抗(きっこう)していて、面白くて引き込まれた。すごく得した気分になった」

――堂々と「にわかファン」を名乗っている。

「正直に言っただけ。自分から言う人があまりいなかった。『にわか』を悪口として言っているのを耳にするが、『にわか』をばかにしたら、ファンは増えないと思う。どうしてこんなに面白いのに、ラグビーに夢中になっている人は(魅力を)言わないんだろう。このすごみは言ってもわからないと思っていたのかも。ラグビー好きな人は連帯感が強く、秘密結社みたいなものだったのかもしれない」

――なぜラグビーにはまったのか。

「試合を有利に進めていくのが、すごく難しいことだとわかったから。ゴールライン1メートル手前まで攻めて、結局だめということがある。ボールを持っていれば味方に渡し、逃げ回って何とかなると思っていたが、それをさせない人たちがいるから失敗が生まれる。その失敗が相手にとってはチャンス。ピンチとチャンスが表裏になっている。素人が入ったら殺されるぞ、というくらいの迫力も面白い」

――元々、ルールはどれくらい知っていたか。

「ボールを前に落とすのはだめ、(真横や)後ろにパスしないとだめ。(インゴールに)ボールをつけたら得点、(ゴールに)蹴り込んだら得点、それくらい。結局、ルールはわかっているのに言葉がわからないというのが多い。度忘れしたが、前に落とすのは何だっけ。ノックオンか。言葉を覚える必要は別にない」

――日本代表には外国出身選手が多い。

「どこで生まれた人とか関係ないというのが、すごく気持ちいい。『国境がなければいいのに』という小学生のような気持ちは大人になっても残っている。それが実現している場面を見ている。人種や国籍に関係なく、仲間はできるものだというのがよくわかる」

――ボールを購入したと聞いた。W杯は見に行くか。

「球技を理解するにはボールを持つこと。野球で内角をえぐるという言葉も、球の硬さを知らないと分からない。W杯は豊田スタジアムの試合(日本対サモア)のチケットを買った」

――日本代表への期待は。

「そんなこと言えるような立場ではない。ただの『にわか』ですから」

――W杯に向けた盛り上がりをどう感じるか。

「何となく通り過ぎるというので終わってしまうのはちょっと残念。W杯直前になり、『もったいない感』が増している。今は『にわか』の人と、『にわか』にもなっていない人が、『あのときは面白かったね』と思ってくれたらうれしい。(選手やファンは)面白さを一生懸命、伝えてあげてください。やっぱり口説かないとプロポーズは受けてもらえない。ちょっとぐらいはダメ元で口説いた方がいいんじゃないでしょうか」(聞き手・帯津智昭)

[ようこそW杯]@読谷村…施設充実 キャンプ任せて

読谷村での合宿でトレーニングに取り組む日本代表候補たち

3月に日本代表候補が合宿を張った沖縄県読谷(よみたん)村は、同県内で唯一の公認キャンプ地に選ばれた。大会直前に米国が調整する場となる。

沖縄本島中部に位置する同村は、ラグビーが盛んな地域として知られる。小学生を対象としたラグビースクールや中学校の部活動で子どもたちが楕円(だえん)球に親しみ、自治会対抗のラグビー大会も開かれている。県ラグビー協会顧問でもある石嶺伝実(でんじつ)村長は「元々スポーツが盛んな村で、ラグビーは地元の高校が強かった時期もあった。経験者が他の人に教えている」と説明する。

プロ野球の中日(二軍)やJ1鳥栖など様々なチームがキャンプで訪れる中、近年増えているのがラグビーのキャンプだ。2018年度は日本代表候補、男女7人制日本代表、トップリーグのチームなどが合宿地に選んだ。19年度もトップリーグの複数チームを受け入れる予定で、東京五輪の事前キャンプ地としてニュージーランド(NZ)代表(7人制)の誘致も目指す。

日本代表候補合宿では、チームとの交流会で村民が琉球民謡などで選手たちをもてなした。石嶺村長は「施設の質を年々進化させてきた。良質の芝生があり、練習場の近くにビーチもある」と話し、「W杯は村を世界に発信できるチャンス。読谷らしさもアピールできれば」と期待する。充実の施設とおもてなしの心でW杯に臨むチームを迎える。(矢萩雅人)

[なるほど! ラグビー]審判 対話でコントロール

久保修平氏

南半球最高峰リーグのスーパーラグビーで日本人初の主審を務めた久保修平氏が、競技を紹介する。

ラグビーの特徴は、審判と選手とのコミュニケーションにある。反則にならなくても、注意が必要というときには選手と対話する。反則が起きるのは仕方ないが、不必要な反則は避けるべきだし、危険なプレーは当然、なくすべきだからだ。

選手とのコミュニケーションの取り方は様々だ。反則が多い場合、問題点を主将に伝えて改善を促すこともあるし、逆に主将から「どうすれば反則でなくなるのか。どう修正したらいいのか」と聞いてくることもある。リプレーが場内のスクリーンに映されるなど、判定が間違っているとわかった場合、主将に「今のは間違えた」と言うことも、ときにはある。

反則があったと判定し、笛を吹くということはゲームを止めることになる。説明責任が大きい。主審はマイクを付けており、選手だけでなく、コーチ席の監督も聞いている。判定の理由を論理的に説明し、受け入れてもらうことを、海外では「判定を売り込む」と表現することがある。

例えば、「頭部への危険なタックルで非常に強い力がかかっているからレッドカード」と言うのと、ただ単に「危険なタックルでレッドカード」と言うのとでは違ってくる。

審判に勝ち負けはない。反則なら笛を吹くということを80分間続け、チームや観客にどれだけ良いゲームを提供できるか。それが僕らの仕事だ。

くぼ・しゅうへい 1981年6月生まれ。福岡・筑紫高でラグビーを始め、主にSHでプレー。川崎医療福祉大時代の2001年にC級レフェリーの資格を得る。日本協会が05年に始めたレフェリー育成アカデミーの1期生で、13年から最上級のA級の公認を受けている。トップレベルの国際試合で20試合、スーパーラグビーで10試合、主審を務めた。

選手と入場 「キッズ」募集

W杯日本大会の公式スポンサーである英国の自動車メーカー、ジャガー・ランドローバーの日本法人は、W杯の試合で選手と一緒に入場する「マスコットキッズ」を募集している。人数は全48試合に2人ずつ計96人。日本国内在住で、今年10月の時点で7~13歳の子供たちを対象にしている。応募締め切りは6月30日。詳細は、同社のサイト内の特設ページへ。

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