栄冠 南半球に集中

イングランドのラグビー校で生まれた競技は英国内に波及し、19世紀後半に大英帝国の拡大とともに世界各地へ広まっていった。

例えば、現在、世界ランキング1位に君臨するニュージーランド(NZ)で初めてラグビーの試合が行われたのは1870年。英国留学から帰ってきたチャールズ・モンローによって紹介された。近年、急速に強化が進んだアルゼンチンには、英国からの移民によって73年にもたらされた。

世界一を決めるワールドカップ(W杯)の第1回大会が開かれたのは、それから100年以上が過ぎた1987年。過去8大会のうち7度はかつて英国の植民地だった南半球の国が制した。NZが3度(87年、2011、15年)、豪州(1991、99年)と南アフリカ(95年、2007年)が2度ずつ。北半球勢の優勝はイングランドの1度(03年)だけだ。

サッカーW杯の優勝は欧州勢が12度、南米勢が9度と競り合っているのに比べると、ラグビー界の覇権争いは南半球に偏っている。

日本にラグビーが伝わったのは1899年(明治32年)とされる。慶大の英語教師エドワード・クラークが、英国留学から帰国した田中銀之助の協力を得て学生に教えた。大正、昭和、平成と120年の年月を経て、令和元年となる今年9月20日、アジア初開催となるW杯日本大会が開幕する。大会組織委員会はアジア全体での普及を見据え、「グラウンドブレイキング(画期的)な大会」(嶋津昭事務総長)を目指している。ラグビー界は、新たなステージを迎える。(4月18日付本紙朝刊掲載)

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