ウェールズ<下>地元愛 キャンプ地でも

 (上)カーディフでは、あちこちに「国旗」が掲げられている(下)土産物店では、レッドドラゴンのぬいぐるみが並ぶ
(上)カーディフでは、あちこちに「国旗」が掲げられている(下)土産物店では、レッドドラゴンのぬいぐるみが並ぶ

カーディフの街を歩くと、ウェールズの「国旗」があちこちに掲げられている。白と緑を背景にして中央に描かれている「レッドドラゴン」は、ウェールズのシンボルだ。土産物店には、レッドドラゴンのぬいぐるみをはじめ、旗のデザインを使った商品が数多く並んでいる。

在日英国大使館にあるウェールズ政府日本代表事務所のロビン・ウォーカー代表は、「日本人にとって、ウェールズは身近ではない。その分、まだまだ発見できるところがある」と話す。今秋のワールドカップ(W杯)日本大会を機に、レッドドラゴンを使ってウェールズの知名度向上を目指す考えだ。ウェールズの多くの人々は生まれ育った地域で働いているため、地元愛にあふれ、故郷の良さを多くの人に知ってもらいたい気持ちが強いという。

確かに、ウェールズラグビー協会の動きは活発だ。在日英国大使館で3月、メディアやスポンサーを集め、代表チームの準備状況などを紹介する説明会を開いた。W杯日本大会の出場チームで、こうした会合を開くのはウェールズが初めて。協会のリース・ウィリアムズ・営業戦略マネジャー(39)はその席で、「日本でのW杯は、選手にとってもサポーターにとっても素晴らしい経験になると確信している。何かお返しをしたいと思っている」と語った。

 (上)カーディフでは、あちこちに「国旗」が掲げられている(下)土産物店では、レッドドラゴンのぬいぐるみが並ぶ=いずれも帯津智昭撮影
(上)カーディフでは、あちこちに「国旗」が掲げられている(下)土産物店では、レッドドラゴンのぬいぐるみが並ぶ=いずれも帯津智昭撮影

北九州市と交流通じPR

協会関係者はすでに、事前キャンプ地の北九州市でラグビー教室を開いたり、地域のイベントに参加したりして交流を深めている。「ウェールズは、『ラグビーのジャージーはすべての人たちのためにある』というスローガンを掲げている。選手だけでなく、誰もがラグビーに関わるという意味だ」とウィリアムズ氏は強調する。

北九州市は港町であり、かつて炭鉱で栄えた地域という背景も含め、カーディフと雰囲気が似ているという。ウェールズ代表のヒュー・ベネットコーチ(35)は、W杯の準備のために何度も足を運び、「今は北九州は第二の故郷のようになってきている」と笑顔を見せる。「ウェールズ協会が積極的に交流してくれている」と喜ぶのは、同市国際スポーツ大会推進室の三浦隆宏室長。市もウェールズの「国旗」のステッカーを公用車などに貼り、応援ムードを盛り上げている。チームと滞在先の自治体が良好な関係を築いている好例だ。

ウェールズは英国の一部であり、五輪では「国旗」が揚がることはない。ラグビーと同様に単独の代表チームがあるサッカーは、W杯予選での敗退が続き、本大会出場は1958年の1度だけ。「国技」と誇るラグビーこそ、世界中にウェールズの存在を知らしめ、友好を深めるための重要なツールなのだ。(ウェールズ編は、帯津智昭が担当しました)

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