フランス~魅惑の最高峰リーグ「トップ14」

ラグビーワールド

2007年W杯準々決勝でニュージーランド(NZ)を破ったフランス(中村光一撮影)。1999年W杯準決勝でもNZを倒すなど存在感を示してきた

世界のスター選手が集まっている。フランスのプロリーグ「トップ14」。欧州、南半球の各国代表選手が多数プレーしており、「世界最高峰」の呼び声が高い。1シーズンの観客動員約260万人はイングランド・プレミアシップの約190万人をも上回る。

参加する14クラブの本拠地は、フランス中部から南部に偏っている。北部はパリの2クラブだけ。そこには英国との深い関係がある。

1152年、南西地方の君主の娘アリエノールがイングランド王となるヘンリー2世と結婚し、同地方は約300年にわたりイングランド領となった。その後も特産のワインで英国と交易が続き、英国文化を受け入れてきた。その土壌がラグビーの「南高北低」につながり、1880年代以降、ボルドーなど南部を中心にクラブの創設が相次いだ。

92年に誕生し、1998年にプロ化したリーグが飛躍したのは企業の出資や放映権収入が急増した2010年頃。トップ14のエマニュエル・エシェリエ運営責任者は「ラグビーが持つクリーンさ」を理由に挙げる。

リーグによると、「印象度の高い競技」の国内調査でラグビーは1位。エシェリエ氏は「サッカーは人気が高いが、『金満』などの批判も多い。ラグビーが嫌いな人はほぼいない」と語る。ミシュラン(仏)など大企業がクラブに投資し、豊富な資金とファンの熱狂がスター選手を呼び込む。この10季で7クラブが優勝する混戦も魅力の一つだ。

「シャンパン」代表今は低迷

フランスラグビー協会のラポルト会長(パリ郊外で)=岡田浩幸撮影

華やかなリーグと対照的に、代表チームは近年、低迷が続く。かつて、泡のようにわいてくる味方へ球をつなぐ「シャンパンラグビー」が代名詞だった。ひらめきを意味する「フレンチ・フレア」はファンを魅了した。03年と07年のワールドカップ(W杯)で代表監督を務めたラグビー協会のベルナール・ラポルト会長は「フランス人は、美しく、攻撃的なプレーを好む」と説明する。イングランドなどがキックやFWの突進など手堅さを特徴としてきたのとは対照的だ。過去8回のW杯で6度4強入りし、準優勝は3回を数える。

だが、欧州6か国対抗の優勝から9年間も遠ざかり、今季は4位。トップ14に海外選手が増えたことで自国選手の出場機会が減り、強化が進まないとの指摘もある。ラポルト会長は「代表には全く満足していない。外国人選手が増えすぎる状況に歯止めが必要」と語る。

トップ14は今後、各クラブの登録選手のうち、若年期を国内で過ごした選手の割合を段階的に増やす。エシェリエ氏は「外国人選手はリーグの質を高め、宣伝面でも重要。枠が減れば今以上に厳選され、真のトップだけが来る」と話す。

23年には自国開催のW杯を控えており、ラポルト会長は「美しい大会にしたい」と意気込む。リーグの隆盛と自国選手の強化――。難題を克服できれば、その実現に近づく。(岡田浩幸)

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