ロシア~2011初出場の熱気を再び

欧州選手権でジョージアと対戦するロシア代表の選手ら(3月17日、ロシア・クラスノダールで)=岡田浩幸撮影

ロシア南部のクラスノダールは冷たい雨に見舞われた。3月17日、欧州選手権で隣国ジョージアに6―22で完敗を喫した。ロシアラグビー協会のセルゲイ・マルコフスポーツディレクター(SD)が「晴天なら1万人を見込んでいた」と話した観客は、多く見積もっても1500人ほどだった。

協会によると、ソ連時代の1930年代から全国選手権が開かれ、80年代には欧州選手権で好成績を残した。しかし、優秀な選手の多くはジョージアやウクライナの出身だったため、ソ連崩壊後は競技力が下がった。経済の混乱も重なって強化は停滞した。

国内の人気競技は、サッカーやアイスホッケーだ。今季8チームで争うラグビーの1部リーグで、「選手の給料は月に5000ユーロ(約63万円)相当。国内の全選手分を足しても高給のサッカーのスター選手1人分に及ばない」とマルコフSDは明かす。

ただ、同協会のパベル・ブグロフ広報部長は「ラグビーの潜在能力は高く、ワールドカップ(W杯)が重要な鍵になる」と語る。初出場だった2011年W杯は4戦全敗。それでも多くの国民がテレビで観戦し、子どもたちが憧れた。10年に1部制だった国内リーグは、W杯出場を機に各地でクラブの新設が相次ぎ、3部制に拡大した実績もある。

サッカーの発展とともに

ユージニー・アーセンティエフ統括責任者

サッカー元日本代表の本田圭佑がかつて所属したクラブ、CSKAモスクワは14年にラグビー部門を創設し、トップチームは下部リーグに参加する。冬は気温がマイナス20度になる厳しい環境にも「モスクワは施設が充実しており、問題ない」と同部門のユージニー・アーセンティエフ統括責任者は言う。保温効果もある砂を敷いた屋内練習場で、はだしの子どもたちが
楕円(だえん)
球を追う。国内では15~21歳の年代別クラブ対抗戦も実施され、マルコフSDは「昨年からアカデミー(エリート教育)も始まり、レベルは上がっている」と語る。

昨夏のサッカーW杯で大型スタジアムや練習施設が整備されており、4月にはそれらを利用して18歳以下のラグビー欧州選手権を開催。欧州ラグビー協会のセバスチャン・ファイエ営業責任者は「ラグビーのプロモーション(振興)の点でロシアは重要な位置づけ。今後、女子の国際大会開催も決まっている」と語った。

2度目のW杯出場となるチームに「(8強入りした)昨年のサッカーの再現は難しいだろうが、11年大会のように今回も大勢の国民が我々を見る」と、マルコフSDは表情を引き締める。昨年11月、中立地・英国で日本に27―32で惜敗した。CSKAのアーセンティエフ氏は「日本がどのように大会をPRし、その後のラグビー熱を維持していくか、よく見て学びたい」と話す。W杯日本大会をラグビー普及と強化への大きな一歩とするつもりだ。(岡田浩幸)

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