【桜を胸に】<下>日本で成長「恩返し」

宮崎合宿で練習に取り組む具智元

日本代表のスクラムを最前線で支えるプロップ具智元(グジウォン)(ホンダ)は韓国出身だ。韓国代表プロップだった父、東春(ドンチュン)さんの勧めもあり、中学3年生の時、母国よりプレー環境が整っている日本に来た。

「あの練習に耐えることができたから今も走れる」。大分・日本文理大付高時代、放課後になると寮の裏にある山を黙々と走った。全体練習後もスクラムを組み、夜中まで筋力トレーニングに励んだ。支えとなったのは、「今も一番大きな夢」と語るワールドカップ(W杯)日本大会への思い。ひたむきに練習に取り組む仲間の姿も刺激になった。

拓大時代の2016年にスーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズでデビューし、日本代表入り。昨年はテストマッチ(国・地域代表同士の国際試合)6試合のうち5試合に出場した。1メートル83、122キロの屈強な体を生かしたスクラムと豊富な運動量でチームを支え、24歳の存在感は増している。

自らのSNSには、韓国の選手からも激励のメッセージが寄せられる。「(チームが目標とする)8強入りできるよう良いプレーをしたい」。グラウンド外では愛くるしい笑顔が印象的な青年は、夢の舞台へ向けて更なる成長を誓う。

出身超え「同じ目標」

リーチ(左)とラファエレ(右)

サモア出身のCTBラファエレティモシー(27)(神戸製鋼)は「日本で活躍すればプロ選手になれる」と誘われ、ニュージーランド(NZ)の強豪校から山梨学院大へ進んだ。午前6時からのランニングなど練習は厳しかったが、「諦めない心ができた」。17年に日本国籍を取得。「W杯で勝つ。それがいろいろなチャンスをくれた日本への恩返しになる」と意気込む。

主将のフランカー、リーチマイケル(東芝)は15歳の時、北海道・札幌山の手高の留学生としてNZから来日した。日本で大きく成長した選手の代表格だ。様々なバックグラウンドを持つ選手が集うチームをまとめる30歳のリーダーは「これから日本も外国人と仕事しないといけない時期が絶対来る」と話した上で、「外国人と日本人が同じ目標に向かって一生懸命やることは周りにも影響を与える。スポーツでしっかりできているところを見せたい」と強調する。

国籍、出身地を超えた「桜の戦士」が、日本のために全力を尽くす。(この連載は矢萩雅人、帯津智昭、中安真人、財津翔、今井恵太が担当しました)

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